ドル・円は106円台後半、FOMC議事録支えもシリア情勢重し

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  • ドルは朝方106円70銭まで下落後、午後に一時106円97銭まで上昇
  • 107円近辺でもんでいる状況、地政学リスクで上値重い-三井住友銀

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=106円台後半で小じっかりに推移。前日発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録での利上げペース加速示唆や米消費者物価指数(CPI)の伸びが支えとなった。半面、シリア情勢など地政学的リスクへの警戒感が強く、上値が重い展開だった。

  ドル・円相場は12日午後3時16分現在、前日比0.1%高の106円90銭。海外市場の流れを引き継ぎ、朝方に106円70銭までドル安・円高が進んだ後、徐々に水準を切り上げ、午後に入って一時106円97銭まで上昇した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は同時刻現在、ほぼ横ばいの1120.97。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、ドル・円について、「107円近辺でもんでいる状況」としたうえで、「地政学的リスクがキーワードとなっている。昨日発表されたFOMC議事録や米CPIは、地政学的リスクの前に陰が薄れた」と説明した。

  前日の米国市場でドル・円は下落。シリア情勢を巡り、米国・ロシア関係が緊迫したことを背景に、一時106円65銭までドル安が進んだ。

  トランプ米大統領は11日、マティス国防長官と会談し、シリアに対する軍事行動について選択肢を検討した。同日ツイッターで「ロシアはシリアに対するあらゆるミサイルを打ち落とすと公言している。ロシアよ、準備するがいい。新型で素晴らしく、『高性能の』ミサイルがやって来るからだ」とも警告した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が11日公表したFOMC議事録によると、成長見通しとインフレ目標達成への自信を深めたことが示され、当局者らの姿勢は引き締めペースの若干の加速に傾いた。また3月の米CPIは、変動の大きな食品とエネルギーを除くコア指数で前年比2.1%上昇と前月(1.8%上昇)から加速した。

FOMC議事要旨についてはこちらをご覧下さい。

  JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、FOMC議事録を受けて、「全体としてやや驚いたのは、ハト派の沈黙である」と指摘。「ハト派の後退もあって、当社は引き続き次回の利上げは6月13日で、その後は四半期に1回の利上げが続くと予想」している。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ポンド=1.4191ドル。前日に一時1.4223ドルと3月27日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。メイ英首相は12日午後、シリア対応を協議するため臨時閣議を招集する。またカーニー英中銀総裁がカナダで講演する。

  三井住友銀の宇野氏は、ポンド・ドルについて、「英国は5月の利上げ観測が支え。地政学的リスクもあり、ドルは弱い」と分析。「目先のポンドの上値めどは3月26日に付けた1.4245ドル。その次は1月高値1.4345ドル。一方、下値めどは1.4050ドル」と述べた。

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