Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀は2%達成前に政策転換議論へ、目標先送りが契機-門間前理事

  • 19年度ごろ2%達成する見通しは10月の展望リポートで先送りを予想
  • 1%維持も簡単ではない、物価が上がらない理由の見直しが必要

日本銀行前理事の門間一夫氏は、日銀は目標とする2%物価上昇の達成前に、金融政策の正常化へ向けた議論を始める可能性があるとの見方を示した。11日のインタビューで語った。

  門間氏は2019年度ごろに2%に達する可能性が高いという日銀の見通しは、10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)公表時に先送りを余儀なくされると予想。物価が停滞する原因を分析した16年9月の総括的な検証後、2回目となる先送りをきっかけに、日銀内で「中長期的に最適な金融政策を巡る議論が始まる可能性がある」と述べた。

  景気に関わらず物価が平均して2%を超える状態は長期間実現しておらず、安定的に1%を維持することも「簡単ではない」と語った。日銀は強気過ぎる物価見通しを現実的な数値に修正した後、「物価が上がらない理由をもう一度、虚心坦懐(たんかい)に見つめ直す必要がある」という。

  需要と供給の差である需給ギャップがリーマン・ショック前のピークに近づくなど、経済は大きく改善しているが、2月の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年比1%上昇、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは0.5%上昇にとどまった。黒田東彦総裁は2%目標達成まで強力な金融緩和を続ける意向を表明しているものの、長期化する金融緩和の副作用も懸念される。

  門間氏は、経済情勢が改善しているにも関わらず、日銀が国債や指数連動型上場投資信託(ETF)の購入を続ける状況を「異常な状態」だと指摘。マイナス金利や長短金利操作、ETF購入、緩和継続の公約という4つの「非伝統的政策を全てやめることが最終形だ」とし、「緩和の枠組みを再考し直す必要がある」と語った。

  さらに現時点では「確実に効果が副作用を上回る追加緩和手段がない」とした上で、次の緩和が必要な場合に備え「多少なりとも政策余地を作っておくことが今の経済情勢では健全だ」と説明した。

  門間氏は東大経済学部を卒業後、1981年に日銀に入行し、企画担当理事や調査統計局長を歴任した。2016年5月にみずほ総合研究所に入社、エグゼグティブエコノミストを務める。

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