ジャンク債発行増、中国の債券市場でリスク増大-企業統治が焦点

  • 中国匯源果汁や同創九鼎投資のドル建て債、最安値を更新
  • ガバナンス問題が表面化する可能性-S&Pグローバルのリー氏

全世界の投資家にとって難題であるコーポレートガバナンス(企業統治)が、低格付けや未格付けの発行体が増える中国の債券市場では特に厄介な問題になりつつある。

  北京に本拠を置く中国匯源果汁集団が起債した投資不適格(ジャンク)級のドル建て債は先週、同社会長の関連会社への融資が証券取引所の上場規則に抵触していたことが明らかになると、最安値を更新した。3月には法令違反で中国の証券監督当局の捜査を受けた同創九鼎投資管理集団の社債が過去最安値を付けた。

  問題を抱えた地方企業への何年にもわたる暗黙のサポートに投資家は安心させられてきたが、現在は中国政府が支援を引き揚げ、デフォルト(債務不履行)を容認することでもはや緩衝材が存在しない。今年記録的な起債が見込まれる中国のドル建て債市場では、リスクの高い債券の発行増加が問題を引き起こす恐れがある。高利回り・未格付け企業が発行した社債は今年のドル建て債発行量全体の55%に達しており、その割合は2011年以来の高水準だ。

Junk Bond Sales Jump

Proportion of junk and unrated issues grows among Chinese dollar bond sales

Source: Bloomberg

Note: % by number of issues

     
  S&Pグローバル・レーティングスの企業格付け担当マネジング・ディレクター、クリストファー・リー氏(香港在勤)は「過去12カ月間、財務体質が脆弱(ぜいじゃく)なシングルBカテゴリーで低格付けの中国企業がオフショアの債券市場を活用するケースを多くみてきた」と述べた上で、「こうした発行体は財務管理の過去の実績がまちまちという傾向がある。ガバナンス問題が一層表面化する可能性があると予想している」と語った。

  リー氏によれば、流動性が高く利回りを追求する意欲が旺盛な中で、投資家は昨年、寛大だった。ただ、軟調な市場で今や企業のガバナンス問題は「誰もが気掛かりだろう」と付け加えた。

原題:Flood of Junk Issuance Raises Risks in China’s Bond Market (1)(抜粋)

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