ドル・円は小幅安、シリア情勢緊張や日本の政治リスク重し-107円前半

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  • 106円97銭から107円26銭まで値幅は29銭にとどまる
  • 不透明要因多く、リスクを積極的に取りづらい-三井住友信託銀

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅安。シリア情勢を巡る緊張の高まりに加え、米中貿易問題の行方や安倍政権を巡る不透明感などが重しとなった。

  ドル・円相場は11日午後3時26分現在、前日比0.1%安の1ドル=107円06銭。朝方に107円26銭を付けた後、日本株の下落に連れて一時106円97銭まで下落。その後は107円台前半に戻してもみ合った。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット西日本営業推進チームの西田朋広チーム長は、ドル・円の下落の背景には安倍政権を巡る不透明感やシリア情勢への警戒感があると指摘。「前日は海外時間にかけて米中貿易問題への懸念後退からリスクセンチメントが改善したものの、これで大丈夫とはならないことからリスクを積極的に取りには行きづらい。前週に107円台半ばで上値を抑えられたこともあり、いったんは戻り売りや実需の円買いも見込まれる」と言う。

  米中貿易問題を巡っては、中国の習近平国家主席が10日の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムでの演説で、「開放の新たな段階」を約束。これに対し、トランプ米大統領は「関税や自動車障壁に関する丁重な言葉だ」と称賛した。先進国と新興国の両方の企業株が含まれるMSCI ACワールド・インデックスは10日に1.4%高となっていた。

  11日の東京株式市場では日経平均株価が続伸して始まった後に下落に転じ、安値引けとなった。米S&P500種ミニ先物はアジア時間の取引で一時0.5%安となっている。

  シリアでの化学兵器の使用疑惑を受け、トランプ米大統領は米国が「強力に」対応すると9日に発言。10日にはアルジャジーラがシリア・イラク国境上空を同盟国の軍機が飛行するのが目撃されたと報じたほか、欧州航空航法安全機構がシリア空爆の可能性があるとして地中海東部地域への飛行に十分な注意を払うよう要請するなど、緊張が高まっている。

  大和証券投資情報部の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「シリアへの攻撃が近いのではないかということで全体的にリスクオフムードで日本株も上値が重く、ドル・円もいったん106円台に下落した」と指摘。ただ、「もし実際にシリアへの行動が見られれば、そこからはドル・円は買い戻されそう」と述べた。

  安倍晋三首相は11日午前の衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設を巡り、自身による指示などの関与をあらためて否定した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、前日比0.1%高の1ユーロ=1.2370ドル。ユーロ・円相場はほぼ横ばいの1ユーロ=132円42銭で推移している。

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