世界需要の数百年分のレアアース、南鳥島周辺-資源戦略に追い風

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  • EVの磁石の原料となるジスプロシウムなど1600万トン超
  • 効果的な回収技術も確立、日本の資源戦略に極めて大きな影響

海底から採取したレアアースが含まれた泥

Source: University of Tokyo Kato Laboratory

日本の最東端にある南鳥島(東京都)周辺の排他的経済水域(EEZ)の海底に世界需要の数百年分に相当する1600万トン超のレアアース(希土類)が存在することが分かった。日本近海でのレアアースの詳細な資源量が確認されたのは初めて。早稲田大学の高谷雄太郎講師と東京大学の加藤泰浩教授らの研究チームが10日に発表した。

  南鳥島南部の約2500平方キロメートルの海域に存在するレアアース泥の資源分布を初めて可視化することに成功した。ハイブリッド車や電気自動車(EV)のモーターに使用される磁石の原料などに使われるジスプロシウムは世界消費の730年分、そのほか最先端産業の中でも特に重要なテルビウムは420年分、ユウロピウムは620年分、イットリウムは780年分にそれぞれ相当することが分かった。

  陸上での鉱床と比べて20倍程度にまで品位を高める回収技術も確立し、将来的には50倍以上とすることを目指す。今後は海底のレアアース泥を採掘し、海上に運んでくるための採泥・揚泥技術の確立や、経済性評価が重要課題になるとしている。

  研究チームは発表資料でレアアースについて「再生可能エネルギー技術やエレクトロニクス、医療技術分野など、日本が技術的優位性を有する最先端産業に必須の金属材料」と指摘。「日本のEEZに莫大(ばくだい)なレアアース泥が確認されたことは、我が国の資源戦略に対しても極めて大きなインパクトを与える」とした。レアアースの生産は大部分を中国が占めている。

  今回の調査に民間企業からは東亜建設工業と太平洋セメントが参加した。11日の株式市場では、東大の加藤教授が座長を務める「レアアース泥開発推進コンソーシアム」のメンバーである日本海洋掘削の株価が前日比一時16%高、三井海洋開発は同12%高。同メンバーではないものの、地下資源用掘削機械の鉱研工業も一時18%上昇した。

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