キユーピー年金:利回り確保、低流動資産を15%に増加へ-新3年計画

6月からの新たな3カ年運用計画を策定したキユーピー企業年金基金は、飛行機リースや不動産、プライベートエクイティ(PE)など低流動性資産の割合を現行の10%から15%に高める方針だ。超低金利環境が続く中、流動性が低い分プレミアムが乗っている資産で運用利回り向上を目指す。

  新たな目標ポートフォリオでは、流動性の低い長期成長資産を現行の10%から15%に、株式を22%から25%にそれぞれ引き上げる半面、運用の中心だった債券を48%から45%に引き下げる。目標リターン(費用控除後)は年率3%。

フィリピンのスーパーで売られるキユーピーの製品

Photographer: Carlo Gabuco/Bloomberg

  同年金基金の沖森公輔運用執行理事は「金利がつぶれ、株式はやや割高で最近はボラティリティーが激しく、米金利は上昇したのに円高。現状からすると様子見せざるを得ない」とし、低流動資産以外は大きく割合を増減させる環境ではないと話す。運用資産約700億円のうち株や債券など流動性の高い資産が半分を占めていれば、リーマンショック級の危機に見舞われても年約30億円の年金給付は枯渇しないという。

【キユーピーの基本ポートフォリオ】

新計画債券 45%株式 25%長期成長
資産 15%
保険リンク証券 8%一般勘定 5%短期資金 2%
現計画国内債18%
外債 30%
国内株15%
外国株7%
インカムゲイン資産10%保険リンク証券 10%一般勘定 7%短期資金 3%

  運用難の中で、生命保険会社など機関投資家は資金の一部を債券などの伝統的資産からPEやインフラ投資などの成長・新規領域に振り向けている。かんぽ生命は今後3-5年で、PEなど代替投資を総資産の1%程度まで拡大させるほか、日本生命保険は2017年度からの4年間で成長・新規分野に1兆5000億円を投資する方針。

  沖森氏は「この5年間、低流動性資産は力を入れて増やしており、日本ではあまり手がついていないジャンルを探している」と話す。現状の低流動性資産はインカムが確実に得られたり、キャピタルロスの少ない投資が中心だ。国内外の比率はほぼ半々で、デットとエクイティを含めた海外インフラが3-4割を占める。昨年は米欧不動産に投資する商品を複数組み入れたほか、飛行機リースへの投資を始めている。

悩ましいヘッジコスト

  米金利の上昇に伴い、為替のヘッジコストはこのところ上昇、運用担当者の頭を悩ませている。沖森氏は12年以前、キユーピーで経理や原料の購買を担当、卵を産む鶏の餌となるトウモロコシの輸入も手掛けていた。同氏は「いかにどうしたら為替の変動を抑えられるかという点で購買と運用は一緒だ」と話し、ヘッジコスト上昇について「ずっと前から問題は絶対起きると想定していた」と話す。

  キユーピー年金でも外国債券投資について「為替では勝負しない」として、原則ヘッジをしている。運用会社に対しては4月を期限に、ヘッジコスト低減の解決策を考えて欲しいと申し入れているという。

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