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日本株反落、小売決算失望で業績不透明感-ディフェンシブ下落も続く

更新日時
  • Jフロントは利益計画は市場予想届かず、小売は下落寄与度トップ
  • 保護貿易リスク低下の余波、シリア情勢などへの懸念も重しに

11日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。百貨店のJ.フロント リテイリング決算への失望から小売がTOPIXの下落寄与度トップとなり、保護貿易リスクが後退する中、食料品やサービス、医薬品といった内需・ディフェンシブ業種からの資金流出も続いた。

  TOPIXの終値は前日比6.64ポイント(0.4%)安の1725.30、日経平均株価は107円22銭(0.5%)安の2万1687円10銭。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦ヘッドは、「これまで売られていたシクリカルの戻りは限定的な一方、買われていた内需・ディフェンシブ関連は昨日からの売りが加速し、総崩れの状況」と言う。全体的に新規資金が流入しにくい要因として、「安心感があると想定して投資家がポジションを傾けていた小売決算が人件費・物流費などのコスト増もあり、期待ほどではなかった。今後本格化する決算で市場の失望を誘う可能性がある」と指摘した。

東証玄関前

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  トランプ米大統領は中国の関税と自動車障壁に関する政策に関し、「習国家主席による思いやりのある言葉」に感謝するとツイート。投資家の不安心理を示す米シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)は10日、前の日から6%低下した。保護貿易や為替リスクなどに対する警戒が和らぎ、日本株市場でも資金の逃避先だった内需関連に一段と売りが膨らんだ。

  また、TOPIXの下落寄与度1位となったのは小売株だ。2019年2月期の事業利益計画がアナリスト予想を下回ったJ.フロントのほか、きょう決算発表したユニー・ファミリーマートホールディングスも今期の営業利益計画が市場予想に届かなかった。イオンなど総合スーパーに加え、専門店まで幅広く売られた。さらに食料品や医薬品、サービスといった内需・ディフェンシブセクターもTOPIXの下落寄与度上位にランクイン。国内で3月期決算企業の先駆けとなる小売企業の低調なガイダンスは、買い手控えの要因となった。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「小売の決算は今期計画の会社側の目線が低く、株価は売られている。今後の決算では景気動向や企業とマーケットの視線に違いがあるかどうかなどを見極めたく、リバウンドすればポジションを縮小する向きもある」とみる。

  海外ではシリア情勢、国内では安倍政権を巡る不透明感も根強く、きょうの為替市場ではドル・円が一時1ドル=106円台後半とやや円が強含み。アジア時間の米S&P500種Eミニ先物が軟調に推移したことも、午後にかけ日本株の下値が切り下がる一因になった。

  もっとも、機械や電機、海運など外需関連、石油や鉱業株は堅調。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「貿易戦争リスクによる投資家心理の振れやすさに乗じ欧州勢から日本株のショートが膨らんだものの、悪材料が重なっても株価は下がらなくなっていた」と指摘。貿易戦争のリスクが低下し、需給面から「売り方は買い戻さざるを得ない状況」としている。

  東証1部33業種は精密機器、小売、食料品、サービス、医薬品、陸運、その他製品、建設など20業種が下落。石油・石炭製品や鉱業、海運、証券・商品先物取引、非鉄金属、鉄鋼など13業種は上昇。売買代金上位では、資生堂や花王、コーセーなど化粧品銘柄、テルモやエムスリーなど医療関連銘柄が安い。半面、米国の携帯電話会社で合併交渉再開との報道でソフトバンクグループが上昇。ハーモニック・ドライブ・システムズの受注好調も追い風となり、安川電機やTHKなどFA関連も堅調。

  • 東証1部の売買高は15億3320万株、売買代金は2兆5586億円
  • 値上がり銘柄数は728、値下がりは1278
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