中国の輸入関税引き下げで日本メーカーにも恩恵-トヨタなど株価急騰

  • 習主席が現在25%の輸入車関税引き下げや外資規制緩和を演説で明言
  • トヨタ株終値は前日比1.4%高-ホンダは2.6%高、日産自も0.7%高

中国の習近平国家主席が10日、自動車に対する輸入関税を引き下げる方針を示したことを受けて日本から中国に輸出する車の競争力が向上するとの期待からトヨタ自動車など自動車株への買いが進み、各社の株価は軒並み上昇した。

Bloomberg

  トヨタの株価は習主席の発言があった午前11時15分ごろから急騰、一時前日比2.5%高の6908円まで上昇し、6838円で取引を終えた。ホンダ株の終値は同2.6%高の3784円、日産自は同0.7%高の1126円だった。

  中国海南省で開催中の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで演説した習主席は25%に設定されている輸入車への関税について、今年引き下げると述べた。また現在は50%を上限にしている現地の自動車合弁会社への外資の保有制限を緩和する方針も示した。この措置をできるだけ早く実施するとしたものの具体的なスケジュールには言及しなかった。

  ホンダ広報担当の建部輝彦氏は電話取材に対して、輸入関税について「開放政策であるので歓迎する」と述べた。外資の保有制限の緩和については「現在2つの合弁会社で現地で生産供給しており、この態勢を見直す予定はない」とした。トヨタ広報担当のジョー・ジャンイヴ氏は現時点では習主席が演説で述べた内容以外の詳細を把握できておらずコメントを控えるとした。

  高級車に関しては中国で生産していないトヨタのレクサスは販売が伸び悩み、過去10年間で現地生産しているアウディやメルセデス・ベンツ、BMWなど海外の高級車ブランドに差を広げられていた。

中国での高級車販売台数の推移

出典:中国汽車工業信息網

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは電話取材に、「このタイミングで中国が自由貿易の立場を取ってきたのは意外」と指摘。トヨタのレクサスやホンダのアキュラ、日産自のインフィニティなど高級車ブランドは基本的には中国へ輸入対応しており、関税の引き下げは「収益に対してはプラスになる」と言う。一方で、中国が現地生産化を進めている状況は変わらないとし、「長い目で見ると、輸入車は減る方向にある。自動車産業全体へのインパクトは限定的だろう」と話した。

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