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Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

CDS市場の奇怪さ浮き彫りか-ジャンク級企業が好条件で借り換え

  • ホブナニアンの再借り換えでCDS巡る騒動に新たな一幕
  • 債権者GSOに対し、CDS売り手のゴールドマンなど抵抗-関係者
Pedestrians are reflected on glass in front of Blackstone Group LP headquarters in New York, U.S., on Friday, April 14, 2017. Blackstone Group LP is scheduled to release earnings figures on April 20. Photograph: Victor J. Blue/Bloomberg
Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

ウォール街で最近記憶にとどまる奇妙な騒動の一つが、ますます奇怪さを増している。

  米ブラックストーン・グループ傘下のGSOはここ数カ月、資金提供先の住宅建設会社ホブナニアン・エンタープライゼズの借り換えから利益を得ようとしていた。この計画にはホブナニアンが部分デフォルト(債務不履行)する条件が含まれ、それによりGSOは購入済みのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)3億3300万ドル(約350億円)相当から現金を得られる。当然のことながら、CDSの売り手であるゴールドマン・サックス・グループなどは抵抗、ヘッジファンドのソラス・オルタナティブ・アセット・マネジメントは詐欺だとしてGSOを提訴した。

  そして今、金融の世界がどれほど奇妙になり得るかを示す事態が進行中だ。ホブナニアンが再借り換えを要請、しかも優良企業もうらやむような条件となっている。同社は6日、表面利率10%以上、向こう6年以内に償還の既発債最大8億4000万ドル相当を、利率3%、2047年償還の新発債に交換すると発表した。

  ホブナニアンの格付けは投資に適さないとされるジャンク級。そのような企業がなぜ、好条件の借り換え計画を2回も打ち出すことができるのだろうか。その答えは同社の信用力とはほとんど関係なく、むしろCDS市場に散見されるゆがんだインセンティブをうかがわせるものだ。市場参加者の一部がこうした取引にストップをかけようとする理由も浮き彫りにさせる。

  GSOが当初の借り換えに応じた取引から利益を得ようと動くにつれ、クレジット市場ではゴールドマンとソラスがGSOを出し抜こうとしているとのうわさが最近数週間に渦巻いた。事情に詳しい市場関係者が匿名を条件に話したところでは、ホブナニアンの社債価格を引き上げることで、GSOへの支払いを抑えるという臆測だった。社債が値上がりするならCDSの売り手は利益を得られるとの期待でそうしたポジションを別のヘッジファンドのアンカレッジ・キャピタルが構築すると、臆測はますます広がったという。ゴールドマンやアンカレッジの関係者はコメントを控えた。ソラスの広報担当者からはコメントを得られていない。

  こうして最近数週間にホブナニアンのデフォルトに備えるCDSの価値は急落。12月を期限とするものはアップフロントが1000万ドル当たり約370万ドルから210万ドルまで下がった。だが、それも同社が6日に再借り換えを発表すると急騰。借り換えに十分な債権者が応じれば、市場にはさらに低価格のホブナニアン債が出回ることとなり、GSOがCDS取引から得る額は増えるためだ。
  
  再借り換えはGSOが促したものではなく、これに応じるかは決定していないと広報担当者は述べた。ホブナニアンの関係者はコメントを控えたが、同社は6日の届け出で「新発債が発行できた場合、CDSの売り手には悪影響が及ぶ可能性はある」と指摘している。

原題:The Great Blackstone Swaps Saga Just Became a Whole Lot Crazier(抜粋)

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