Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本株は続伸、中国主席の講演で米中摩擦懸念和らぐ-機械や鉄鋼上げ

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  • 習主席の輸入拡大など表明で米株先物が急伸、為替も円安傾向に
  • 中国輸入拡大の恩恵受ける業種に買い、化粧品などは一転軟調
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10日の東京株式相場は続伸。中国の習近平国家主席の講演を受け、米国と中国の貿易摩擦に対する懸念が後退した。自動車や機械など輸出株をはじめ、鉄鋼や海運、商社といった中国経済の恩恵を受けやすい業種が買われた。

  TOPIXの終値は前日比6.06ポイント(0.4%)高の1731.94、日経平均株価は116円06銭(0.5%)高の2万1794円32銭。

  T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長は、「ファンダメンタルズから押し目買いをしたい向きが多かっただけに、自動車分野などの習主席のサプライズに対し市場はショートカバー中心に素直に反応した」と指摘。習主席の発言は、貿易戦争の落としどころが完全に見通せるほど強い内容ではなかったが、「トランプ米大統領の圧力で一定の譲歩を引き出したと言えなくもない」と言う。

習中国国家主席

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  中国の習主席は10日、博鰲(ボアオ)アジアフォーラムでの演説で、銀行から自動車製造まで多岐にわたるセクターを開放すると発言。中国が「開放の新たな段階」に入るとし、輸入拡大や製造業の外資保有制限緩和、知的財産権保護の強化を表明した。トランプ大統領がツイッターへの投稿で不満を表していた自動車問題については、自動車メーカーの外資保有上限の引き下げや自動車輸入関税の引き下げに言及。また、「冷戦思考」に回帰すべきではないとも警告した。

  きょうの日本株は、米連邦捜査局(FBI)がトランプ大統領の弁護士マイケル・コーエン氏の事務所を捜索したとの報道が響き、朝方は下落して開始。しかし、習主席の講演時間が接近すると徐々に持ち直した。サクソバンク証券の倉持宏朗チーフマーケットアナリストによると、習主席が「米国を一段と攻撃することがなければ、市場の通商懸念が後退する」との期待があったという。講演での発言を受け自動車や機械、卸売、鉄鋼など中国関連業種に買いが増え、米S&P500種Eミニ先物も急伸、ドル・円も円安方向に振れ、日経平均は一時255円高まであった。

  外需関連が買われた半面、午後には資生堂やコーセー、花王、リクルートホールディングスなど直近の上昇が目立っていた内需セクターやディフェンシブ業種には売りが優勢となり、株価指数も伸び悩み。T&Dアセットの山中氏は、「投資家の資金は今まで貿易摩擦がマイナスになる業種にショートする半面、安全な内需関連に逃げていた。ポジションの傾きが大きければ、それを解消するだけで株価が動きやすくなる」と指摘した上で、「相場が落ち着くときには、そういった動きを何度も繰り返しながら徐々に下値が固まっていく」とも話した。

  東証1部33業種は鉄鋼や機械、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、輸送用機器、海運、非鉄金属、卸売、電機など21業種が上昇。医薬品やサービス、食料品、小売、陸運、電気・ガスなど12業種は下落。売買代金上位では、みずほ証券が目標株価を上げたソニー、遺伝子治療薬で大塚製薬と提携したタカラバイオが高い。これに対し、競合する米メルクの抗がん剤「キイトルーダ」の第3相試験結果が良好だった小野薬品工業、今期減益計画の高島屋は大幅安。

  • 東証1部の売買高は14億6866万株、売買代金は2兆7035億円
  • 値上がり銘柄数は1129、値下がりは873
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