4月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、習主席演説への期待感やECB総裁見解で

  9日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要10通貨全てに対して下落。ユーロ圏の政策担当者は域内経済の力強い成長を引き続き見込むとドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が述べた後、ドル売りが膨らんだ。ユーロはそれまでの下げから上昇に転じ、日中高値を付けた。

  ブルームバーグのドル指数は朝方の上げを消して反落した。ドル売りはニューヨーク市場での取引開始時に始まり、ドラギ総裁の発言後に加速した。

  中国の習近平国家主席が10日、博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで行う講演については、貿易戦争のエスカレートが招く結果について警告し、市場を落ち着かせる内容になると期待されている。

  ニューヨーク時間午後4時35分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前週末比0.2%低下。ドルは対円で0.2%下げて1ドル=106円75銭。ユーロは対ドルで0.3%上げて1ユーロ=1.2318ドル。

  ユーロはドルに対し1ユーロ=1.2330ドルで日中高値を付けた。9日公表されたECBの年次報告でドラギ総裁は、「将来について言えば、ユーロ圏の景気拡大は2018年を通じて力強いペースを維持する」とした。ユーロはここ1カ月の間、1.2215ドルから1.2476ドルの間での推移を続けている。

  ドルは円に対して朝方上昇した後は下げに転じた。午後には米国株が伸び悩む中で、106円71銭の支持線も割り込んだ。

欧州時間の取引

  ドルが円に対し上昇。米国と貿易で対立する中国が人民元相場の段階的な引き下げがもたらし得る影響を研究していると伝わり、10日に予定される習主席の演説があらためて注目された。

  クレディ・アグリコルのG10通貨調査責任者、バレンティン・マリノフ氏は「ドルはこのニュースを受けてやや持ち直しているようだ。このニュースは近い将来の為替政策変更に関する作業というより、通貨引き下げの構想を中国の当局者が議論していることを示唆するようだ」と指摘した。
原題:Dollar Weaker on China Hopes and Draghi Optimism(抜粋)
Dollar Climbs as China Said to Be Looking Into Yuan Devaluation(抜粋)
*USD/JPY TRADES BELOW 106.71 SUPPORT AS SHARES PARE GAINS

◎米国株・国債・商品:株が反発、政治リスク懸念で終盤に失速

  9日の米株式相場は反発。前週末に大きく売られた大型テクノロジー株に買いが入った。ただ終盤には主要株価指数は大きく上げを縮めた。米連邦捜査局(FBI)がトランプ大統領の弁護士の事務所を捜索したとの報道が嫌気された。

  • 米国株は反発、テクノロジーに買い-終盤に上げ縮める
  • 米国債は下落-10年債利回り2.78%
  • NY原油は反発、2週間ぶり大幅高-貿易戦争懸念が緩和
  • NY金は続伸、米貿易政策を懸念-ボラティリティー上昇

  S&P500種株価指数は一時2%上昇したが、終値では0.3%高となった。FBIがトランプ大統領の弁護士マイケル・コーエン氏の事務所を捜索したとの米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道を嫌気し、取引終盤に失速した。

  ウィリアムズ・キャピタル・グループのトレーダー責任者、スティーブン・カール氏は「これは悪い出来事の極みで、解決の兆しも見えない」と述べた。同氏は「関税、シリア問題、FBIによるコーエン氏の事務所捜索」は全てネガティブな地合いをもたらしていると指摘した。

  S&P500種株価指数は前週末比0.3%高の2613.16。ダウ工業株30種平均は46.34ドル(0.2%)上げて23979.10ドル。ナスダック総合指数は0.5%高の6950.34。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の2.78%。

  ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反発。約2週間ぶりの大幅高となった。米国と中国の問題が全面的な貿易戦争に発展するとの懸念が和らいだ。この日は株価が上昇、ドルが下落し、原油の魅力が高まった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前週末比1.36ドル(2.2%)高の1バレル=63.42ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は1.54ドル上げて68.65ドル。

  ニューヨーク金先物相場は続伸。トランプ米大統領の貿易政策を手掛かりに、貴金属が新たに活況となっている。トランプ氏は9日、中国が米国製自動車に課している関税について「ばかげた貿易だ」と批判した。金とパラジウム先物のボラティリティー(60日ベース)は約1年ぶり高水準となった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末比0.3%高の1オンス=1340.10ドルで終了。パラジウム先物6月限は4.2%高の932.50ドルと、中心限月としては7カ月ぶりの大幅上昇。

  この日はアジアと欧州で株価が上昇したことから、米中間の貿易問題は前週ほど材料視されなかった。ただそれでも、貿易問題で影響を強く受けるセクターの株価は低調だった。半導体やソフトウエア、ハードウエアなどが特に買われ、ナスダック100指数は一時2.5%を超える上げとなった。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の世界クロスアセット・欧州株式戦略責任者、ジェームズ・バーティ氏はブルームバーグテレビジョンで、米中の貿易摩擦について「市場がこれから期待するのは米中間で何らかの交渉が始まることだ」とし、「全面的な貿易戦争に発展しても誰の利益にもならない」と続けた。
原題:Stocks Rally Falters Late Amid Political Risks: Markets Wrap(抜粋)
Oil Rises Most in Two Weeks as Concerns Over Trade War Ease
Trump Trade Fears Take Gold and Palladium Futures on a Wild Ride

◎欧州債:ドイツ債が下落、米国債の下げに追随-イタリア債は堅調

  9日の欧州債市場では、ドイツ債が小幅に下落。前週末に急落した米国株が反発し、米国債が下げた流れに追随した。ストラテジストがますます強気な見方を示しているイタリア債は堅調。アイルランド10年債は同国政府が今週、30億ユーロの入札を実施する見通しが浮上し、アンダーパフォームした。

  ドイツの10年債利回りは上昇幅をやや縮小。ECBのコンスタンシオ副総裁が、早期の金融緩和縮小はインフレ率を上昇軌道から脱線させる恐れがあると指摘。欧州債全体で取引は閑散で、ドイツ債先物6月限の取引高は10日平均の80%程度だった。

  今月は大規模な償還がユーロ圏国債の相場を支える可能性がある。

  イタリア国債には強気派が増え続けており、モルガン・スタンレーとJPモルガンは同国債へのロングを維持。
原題:Bunds Dip as Stocks Rise, Italy Up; End of Day Curves,Spreads(抜粋)

(NY外為、米国株・国債・商品を更新します.)
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