電気自動車のバッテリーを家で活用、停電に悩んだエンジニア

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  • EVに蓄電した電力活用の「V2G」や「V2H」実現が鍵握る
  • 2040年までには全ての新車の半分以上がEVに-BNEF

ダブリン郊外に引っ越したダミアン・マグワイアさんは、頻繁な停電に悩まされた。この解決で思い付いたのが、電気自動車(EV)のバッテリー活用だ。

  41歳の電気エンジニアであるマグワイアさんは自らの工夫を 「ユーチューブ」に投稿するほどで、自宅とEVをつなげ、ガレージに止めて運転していない間のEVの電気を使えるようにした。アイルランドの天候は当てにならないが、裏庭に設置したソーラーパネルでも発電している。「ひらめきの瞬間だ。車には大きなバッテリーがある。それを使わない手はない」と話す。

日産自のV2Gプロジェクト(英国)

ソース:日産自動車

  電力を賄うため、蓄電にEV電池を活用したいと考える電力会社や自動車メーカーにとっては、もっと大きくひらめく瞬間が訪れつつあるようだ。車両から電力網に電気を供給する「ビークル・ツー・グリッド(V2G)」は、大勢のEVドライバーが料金が安い間に充電し、需要ピーク時や太陽が照らない際には電力会社に電力を販売するという構想。実現するか大きな疑問はあるものの、機能すれば、再生エネルギーが大幅に安くなり幅広く使用され得る。

Battery Boom

Global storage in electric and hybrid vehicles forecast to grow 9-fold over the next decade

Source: BMI Research

Note: Figures from 2009 to 2017 are estimates and 2018 to 2027 are forecasts

  BMIリサーチ(ロンドン)で電力市場を調査するアナリスト、ダニエル・ブレンデン氏は「風力・ソーラー発電をもっとうまく利用するには蓄電設備が本当に必要であり、これをEVが提供してくれる可能性がある」と指摘。「潜在性は非常に大きい」と言う。

テスラの風力発電所(オーストラリア)

出典:テスラ

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の推計によれば、世界の自動車に占めるEVの割合は現在1%にも満たないが、2040年までには全ての新車の半分以上がEVとなる。

新型リーフを使った日産自のシステム

ソース:日産自動車

  「リーフ」で世界のEV市場をリードする日産自動車によると、EVのバッテリーを住宅の電源として活用するいわゆる「ビークル・ツー・ホーム(V2H)」なら電気料金を毎月約40ドル(約4300円)減らすことができる。

  日本でのリーフ販売台数はこれまで8万1500台。日産自が日本でV2Hの取り組みを始めてからの6年で、このシステムを採用したリーフの持ち主は約7000人程度にとどまっている。それでも同社の広報担当者は販売に「非常に満足」し、技術に対する消費者の関心が広がっているとコメント。昨年は東京電力ホールディングスとV2Gシステムの設計について協力するとも発表した。

日産自はエネルなどとデンマークでV2Gの商用拠点を運営

ソース:日産自動車

原題:Cities Running on Car Batteries? Just So Crazy It Might Work(抜粋)

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