製造業の雇用減、低成長や格差拡大に必ずしもつながらず-IMF分析

  • 生産性の伸びは必ずしも鈍化せず-世界経済見通しの分析部分
  • トランプ大統領は米国の製造業の再生を公約

国際通貨基金(IMF)は9日公表した最新の世界経済見通し(WEO)の分析部分で、製造業雇用が細るのに伴い各国経済が成長鈍化や所得格差拡大に必ずしも見舞われることはないと指摘した。

  IMFによると、雇用に占める製造業のシェアは先進国では50年近くにわたり低下している。製造業は国の生産性の伸びの重要な促進剤であり比較的低いスキルの労働者に給料の良い仕事をもたらす確かな源と受け止められることが多いだけに、製造業雇用の減少を一部のエコノミストや政策当局者は心配している。IMFは最新の世界経済成長予測を含むWEO全文を17日に公表する。

  トランプ米大統領は、低廉な生産コストを求めて他国へのシフトが続いた雇用を国内に取り戻し、米国の製造業を再生すると公約している。米製造業の雇用は約9年前に終了した前回のリセッション(景気後退)以来持ち直しているが、1970年代後半のピークを依然として下回っている。

  IMFは製造業雇用の減少は特定の国の生産性の伸びを必ずしも損なうことはないとし、一部のサービス産業は製造業よりも生産性が高い点に言及。製造業の利益の方がサービス業よりも「幾分高く」、より均等に分配されていると認めた一方で、先進国では1980年代以降、全てのセクターで格差が拡大していると指摘した。その上で、製造業雇用が減りつつある国では、政策当局者は職を失う工場労働者の新たな技能習得を支援し、社会的セーフティーネットを強化する必要があるとした。

原題:Loss of Factory Jobs Needn’t Spell Doom for Nations, IMF Says(抜粋)

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