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日本株反発、食料品など内需や金融高い-米国株安と円高懸念も薄れる

更新日時
  • 6日の米S&P500は2.2%安、アジア時間では下げ止まり示す
  • ドル・円は1ドル=107円近辺、早朝は一時106円70銭台で取引

9日の東京株式相場は反発。前週末に大幅安となった後の米国株先物が堅調に推移、為替市場では円高の勢いも一服し、過度のリスク回避姿勢が和らいだ。先物主導で午後に上昇基調が明確となる中、食料品や不動産、電力、情報・通信株など内需セクター、銀行や保険など金融株が高い。

  TOPIXの終値は前週末比6.58ポイント(0.4%)高の1725.88、日経平均株価は110円74銭(0.5%)高の2万1678円26銭。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「株式市場は貿易政策や地政学リスクの不透明感から当面方向性は出にくいだろう」としつつ、「まだ景気や企業業績の良さは崩れていない。トランプ米大統領が景気を犠牲にしてまで貿易戦争はしないという見立てをするならば、バリュエーションが割安な日本株はいったん株価が止まりやすい水準まできている」とみていた。

東証内

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  ムニューシン米財務長官は6日、米中の関税措置が全面的な貿易戦争につながる「一定水準のリスク」があると発言。トランプ米大統領は8日、ツイッターで、米中貿易摩擦では中国が先に屈服するとの見通しを示した。

  米中通商政策への不透明感から、週明けの日本株は朝方こそ小安く始まったが、前週末にダウ工業株30種平均が500ドル以上下げた米国株安については6日の取引で既に先行して織り込んだ面もあり、その後はもみ合い。米S&P500種Eミニ先物が上げ幅を拡大させたほか、為替市場で円高の勢いが鈍った午後には日本株も堅調さを増した。

  中国政府系の中国社会科学院の張宇燕上席研究員は海南島で開かれている博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで、中国と米国の貿易を巡る緊張は高まっているが、中国が米国債を処分する公算は極めて小さいと言及した。10日には中国の習主席が同フォーラムでスピーチを予定する。

  きょうの日本株の下値抵抗力について、市場関係者の間では需給面の好転を指摘する声が聞かれた。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネージャーは、「これまで米国株以上に下げがきつかった日本株は、海外勢の現物株売りが出尽くしたことや為替の円ショートが解消されるなど需給要因から底堅くなっている」と言う。これまでグローバル投資家は米国株をオーバーウエートしていれば良かったが、それが揺らいでおり、「売られ過ぎていた日本株など他地域に資金が向かっている可能性がある」とも話していた。

  もっとも、東証1部の売買代金は前週末比15%減少と低調。3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比10万3000人増と市場予想の18万5000人増から下振れ。平均時給は前年比2.7%増加と前月(2.6%増)を上回った。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「雇用者数が減少しながらも、賃金はしっかりという成長減速・インフレ高止まりを示唆し、驚くほどではないが悪材料」としている。

  東証1部33業種は水産・農林、パルプ・紙、保険、電気・ガス、食料品、不動産、銀行など24業種が上昇。食料品や不動産など相対的な内需セクターの堅調について、りそな銀の黒瀬氏は「2月決算中心に堅調との期待があり、貿易戦争懸念で株式市場が揺れているときは消去的に資金が向かう先はそこしかない」と言う。石油・石炭製品やゴム製品、鉱業、機械、鉄鋼、卸売、非鉄金属など9業種は下落。石油は、6日の米ニューヨーク原油先物が2.3%安と約2週間ぶりの安値となったことが響いた。

  売買代金上位では、東海東京調査センターが目標株価を上げたKLabが急伸。マネックスグループやオリエンタルランド、キリンホールディングス、ユニー・ファミリーマートホールディングスも高い。半面、第4の携帯電話事業者として参入することが決まった楽天は売られ、ロボット関連同業の不二越の決算低調と株安に連想売りが広がった安川電機、SMCも安い。

  • 東証1部の売買高は13億9023万株、売買代金は2兆2653億円
  • 値上がり銘柄数は1117、値下がりは873
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