債券は上昇、日銀オペ結果で好需給を確認-日本株高や円安が重し

更新日時
  • 週内は日銀オペ残り2回予定で需給締まりやすい-バークレイズ証
  • 超長期債利回りが低下、長期金利は横ばいの0.035%で推移

債券相場は上昇。米中貿易摩擦の深刻化懸念を背景とした米株安・債券高の流れをに加え、日本銀行がこの日に実施した長期・超長期ゾーン対象の国債買い入れオペが好需給を示す結果となったことから買い圧力が掛かった。

  9日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前週末比4銭高の150円89銭で取引を開始。一時は150円95銭を付けた。午後の取引では日経平均株価の上昇基調を背景に150円88銭まで上げを縮小する場面があったものの、結局は5銭高150円90銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「前週末のリスクオフ地合いを引き継いで朝方は強く始まった。日銀オペで需給の引き締まりが意識される結果になったこともサポート材料になり、全体的に小じっかりの展開」と指摘。「週内にはあと2回オペが予定されており、需給は締まりやすい」と言う。

  現物債市場では、超長期債が堅調だった。新発20年物の164回債利回りは0.515%、新発40年物の10回債利回りは0.87%と、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低い水準で推移。新発30年物58回債利回りは一時1bp低い0.73%まで買われた。長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは横ばいの0.035%前後で推移した。

  米国のムニューシン財務長官は6日のCNBCとのインタビューで、米国と中国は交渉を通じて問題を解決すると「慎重ながら楽観的だ」としながらも、両国の関税を巡る対立が全面的な貿易戦争に突入する「一定水準のリスク」があると述べた。中国商務省の高峰報道官は6日の記者会見で、「米国が輸入品1000億ドルを対象とした関税を発表したなら、わが国はためらわず直ちに激しく抗戦する。いかなる選択肢も排除しない」と発言した。

  米中の貿易摩擦懸念の再燃で、6日の米株式相場は大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比2.3%安の23932.76ドルで引けた。一方、米国債相場は上昇し、10年債の利回りは6bp低い2.77%程度に低下した。

  この日の東京株式相場は日経平均株価が下落して始まったものの、徐々に値を戻し、前週末比110円74銭(0.5%)高の2万1678円26銭で引けた。バークレイズ証の押久保氏は、「米中の貿易問題に振らされる状況が続いているが、まだ決定的な材料は出ていない。日本株の切り返しもあり、債券相場はやや上値の重さもみられた」と言う。

  日銀はこの日午前の金融調節で、残存期間5年超10年以下と10年超の長期国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は5-10年が4500億円、10ー25年が1900億円、25年超が700億円に据え置かれた。オペ結果は、5ー10年と10ー25年の応札倍率が前回から低下し、同ゾーンの投資家による売り需要が弱いことが示された。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  バークレイズ証の押久保氏は、「日銀は円高懸念でオペ減額に慎重なのは事実だが、ある程度フラット化が進むと、イールドカーブコントロールの方を優先せざるを得ないところはある」とし、「上値を追う展開になりにくい面もある」とみる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE