ドルは107円台前半、米中貿易懸念で一時円買い-米雇用統計待ち

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  • 一時107円ちょうどまで下落も、株下げ渋りで持ち直す
  • 雇用統計下振れなければドル・円は堅調地合い継続-ソニーFH

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=107円台前半で推移した。トランプ米大統領が1000億ドルの中国製品を対象とした追加関税の検討を米通商代表部(USTR)に指示したことを受け、朝方はリスク回避の円買いが先行。その後は株価の下げ渋りを背景に値を戻す展開となった。

  ドル・円相場は6日午後4時5分現在、前日比ほぼ横ばいの107円41銭。午前8時前に対中追加関税の検討指示が伝わると、107円40銭前後から一時107円ちょうどまでドル売り・円買いが進行。その後、日本株がプラス圏に浮上する中、午後にかけて値を戻し、一時は早朝に付けた107円44銭に並ぶ場面も見られた。前日の海外市場では、米中貿易摩擦懸念の後退や米国株高、米債利回りの上昇を背景に107円49銭と2月28日以来の水準までドル高・円安が進んでいた。

  ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長は、対中追加関税について「選挙対策というのは見え見えで、そこまで心配しなくてもいいのではないかという感じになっている」と説明。「あとは米雇用統計待ちというところだが、今は政治ネタで動いているので、雇用統計うんぬんではあまり大きくは動かない」と話した。

  トランプ氏による対中追加関税の検討指示を受け、米株価指数先物は急落。5日の米国市場で3月27日以来の2.83%台へ上昇していた米10年債利回りは、時間外取引で一時2.80%台まで低下した。東京株式相場は3日ぶりに反落。一時プラスに転じていたが、引けにかけてマイナス圏に沈んだ。

  大和証券投資情報部の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、対中追加関税について「また交渉カードとして使うということだろうが、しばらくはいろいろな言葉に踊らされるということだろう」と指摘。「いずれにしても話し合いで決着せざるを得ないので、市場はそのうち冷静さを取り戻していくと思う」と話した。

  ブルームバーグの調査によると、この日発表される3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増が予想されている。2月は31万3000人増だった。失業率は4%と前月から0.1ポイント低下し、2000年12月以来の低水準を更新する見込み。注目の平均時給は前月比0.3%増と2月の0.1%増から伸びが加速するとみられている。

  ソニーFHの尾河氏は、ドル・円は非常に重かった107円を上抜けており、「雇用統計でよほど変な数字が出なければ堅調地合いが続く」と予想する。SBI証券IFAビジネス部の相馬勉部長も、「貿易戦争で世界経済が収縮する発想までにはなっていかない」とし、ドル・円は「底値を固めている感じ」と説明。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)で見ればドルが一番強く、米雇用統計が悪くなければ、来週は「108円を目指す流れ」になるとみている。 

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