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来週の日本株は底堅い、過度な通商政策懸念の反動

  • 4月に入り悪材料に対する反応鈍る、過去2カ月は心理が弱気傾向
  • 米10年債利回りは再浮上兆し、米消費者物価上昇なら警戒再燃も

4月2週(9ー13日)の日本株は、底堅い展開が予想される。米国と中国の通商政策に対する悲観を相場に織り込み過ぎたため、いったんは反動が出やすい。ただし、米中問題の最終決着には時間がかかるほか、内外経済指標の結果次第では一時的に値動きが大きくなる場面もありそうだ。

  株式市場では4月に入り、通商政策の悪材料に対する反応度が鈍くなっている。中国が大豆など米国からの輸入106品目に25%の関税を賦課するとの表明を受けた4日の米国株は、大幅安後に反転。中国からの輸入品1000億ドルを対象とした新たな追加関税を検討するようトランプ米大統領が指示したと伝わった6日の日本株も、大幅な下落には至らなかった。過去2カ月間に投資家心理が弱気に振れることが多かった後だけに、交渉や世界経済への影響を見極めようとの冷静な姿勢は相場の底堅さにつながる可能性がある。

米中首脳

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  もっとも、買い戻し以外に積極的に上値を追う材料には乏しい。米国では、3月下旬から低下していた10年債利回りがじりじりと浮上中。金利上昇懸念が再燃すれば、株価の上値抑制要因になりかねない。11日に発表予定の3月の米消費者物価は市場予想で前年同月比プラス2.3%、2月は2.2%だった。同日は3月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。13日からはJPモルガン・チェースなど金融セクター中心に米企業の決算発表も始まる。

  国内では9日に3月の景気ウオッチャー調査、11日に2月の機械受注の発表がある。機械受注は、市場予想で前月比マイナス2.5%と悪化する見込みだ。このほか、ユニー・ファミリーマートホールディングスなど小売企業の決算発表が本格化し、3月期企業では12日に安川電機が公表する。13日は株価指数オプション4月限の特別清算値(SQ)が算出される。第1週の日経平均株価は週間で0.5%高の2万1567円52銭と続伸した。

  • ≪市場関係者の見方≫

大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  「米国の通商政策と中国の対応を見ながらの週となるが、株価水準は3月はじめのトランプ米大統領による鉄鋼・アルミへの言及後からかなり下がっている。貿易戦争による世界経済の悪化シナリオ、1ドル=105ー106円台近辺での業績悪化は市場はある程度織り込んでいる。具体的なファクトが出ない中、ショックで反応するステージは終わった。ここからさらに下がるには、実際に景気が悪くなることや一段と強力な措置などが出てくることが必要。株価の割安感や予想したほど状況が悪くならないとの見方から、比較的落ち着いた動きになるのではないか」

ピクテ投信投資顧問の松元浩常務
  「米国と中国の通商政策に振らされるボラティリティーの高い週となりそう。米中は定期的な話し合いの場が設定されておらず、お互い1枚ずつカードを出し合っている状態。落としどころが見えにくいため、通商政策を背景とした中国の景気鈍化やドル安の影響などを定量的に考えるのは困難というのが投資家の共通認識だ。米国の利上げもことし3回がメインシナリオだが、関税による物価高止まりの中で景気減速となるミニスタグフレーション的な進展もサブシナリオとして持つ。一方、為替が1ドル=108-109円へ向けて戻るなら、今の日本株はPERから買いやすい」

SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリスト
  「一進一退の動きが予想される。米中の関税問題は交渉で解決策を見いだすとの見通しが薄れ、再度霧の中に入った印象。両国の応酬激化でリスク回避から為替がドル安・円高に振れる可能性を意識せざるを得ない。FOMC議事録では、前回のドット・チャートで利上げ回数は年間4回が6人となり、もう1人増えると中央値が現在の3回から4回に引き上がるため、株価下落を招く米金利の上昇につながる可能性がある。日本株を買い進む材料は見当たらないが、日経平均は200日移動平均線(2万1367円)から2万1000円のレンジが下値とみられ、大きな下落は考えにくい」

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