Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

日本株3日ぶり反落、米中摩擦の懸念再燃-輸出や空海運、倉庫が安い

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  • トランプ米大統領、中国輸入品1000億ドル相当に追加関税検討指示
  • 為替安定、7&iHDなど小売セクターの好決算は下支え要因に
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

6日の東京株式相場は3日ぶりに反落。米国のトランプ大統領が中国製品に対する追加関税の検討を指示し、米中貿易摩擦への懸念が再燃、株価の重しとなった。機械や電機など輸出株、貿易・輸送量変動の影響を受ける空運や海運、倉庫株が安い。パルプ・紙や不動産株も軟調。

  TOPIXの終値は前日比5.31ポイント(0.3%)安の1719.30、日経平均株価は77円90銭(0.4%)安の2万1567円52銭。

  SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリストは、「やっと米中貿易摩擦問題激化の懸念が後退した矢先、トランプ米大統領が中国製品に対する追加関税の検討を指示し、世界経済への影響を再度意識せざるを得なくなった」と指摘。市場は、米中貿易戦争に発展するとは考えていないが、「北朝鮮との非核化交渉などでもトランプ大統領の発言や動きに一定の警戒感を持ち続けなければならず、楽観一色にはなりにくい」と話した。

東証内

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  トランプ米大統領は5日、通商代表部(USTR)に新たに中国からの輸入品1000億ドル(約10兆7000億円)を対象とした追加関税を検討するよう指示した。前日まで米中の通商当局者らは、対立のエスカレート回避に向け合意を取りまとめようと努めており、ライトハイザーUSTR代表は大統領声明後すぐに、関税はいずれも直ちに発効することはないと述べた。

  一方、中国国営の新華社通信は6日、中国政府は米国の新たな制裁に対し自国の利益を守る決意だ、と伝えた。

  きょうの日本株は、取引開始前にトランプ大統領による対中追加関税の検討指示が市場に伝わり、前日の米国株続伸と綱引きする格好で小安く開始。その後は、プラス圏とマイナス圏を往来し、もみ合い色の濃い1日だった。SMBC信託銀の佐溝氏は、「トランプ大統領は高めの球を投げ、相手の条件を引き出すいつもの交渉術。すぐにライトハイザーUSTR代表が火消しに回ったが、米国株に与える影響や米雇用統計の結果を確認したいことから、日本株は方向感を出せない」とみている。

  相場の下支え要因となったのが為替の安定だ。ドル・円は早朝に1ドル=107円40銭台と前日の日本株終値時点106円90銭に対しドル高・円安で推移、トランプ氏指示を材料に一時107円ちょうどまで円が強含んだが、再度円安方向に戻した。極東証券経済研究所の高橋豊常務は、「為替市場の落ち着きは安心材料。今期の企業想定レートは1ドル=105円とみられる中、106ー107円台なら増益が確保できる」と言う。
  
  東証1部33業種は空運、パルプ・紙、海運、倉庫・運輸、機械、不動産、電機、ゴム製品、非鉄金属など24業種が下落。上昇は石油・石炭製品、鉱業、小売、建設、サービス、情報・通信など9業種。石油や鉱業は、前日のニューヨーク原油先物の堅調を材料視。小売では、今期も営業増益を計画、野村証券の目標株価引き上げもあったセブン&アイ・ホールディングス、7&iと業務提携するイズミが上げた。

  売買代金上位では、英シャイアーの買収検討を巡る増資懸念が根強い武田薬品工業、米半導体株安の流れを受けたSUMCOや信越化学工業が安い。材料銘柄では、四半期決算でのロボットの受注減がアナリストにネガティブ視された不二越が急落した。半面、コインチェックを完全子会社化するマネックスグループがストップ高。第一三共やJXTGホールディングス、日本経済新聞で今期の事業増益観測報道があったユニー・ファミリーマートホールディングスも高い。

  • 東証1部の売買高は14億6938万株、売買代金は2兆6577億円
  • 値上がり銘柄数は661、値下がりは1354
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