JPモルガンのダイモンCEO:米中貿易戦争、世界経済にリスク

更新日時
  • 「深刻な貿易問題」の解決、米国と世界にとって良いこと
  • ダイモンCEOが株主宛て書簡で指摘-金融市場のリスクにも言及

米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、貿易に関して米国が中国に対して抱く不満は正当なものだが、「事態が貿易戦争のように見え始めれば」世界の経済システムにリスクと不透明感をもたらすと指摘した。

  中国製品に輸入関税をかけようというトランプ米大統領の動きを引き金に、米中間の緊張は一気に高まった。ダイモンCEOは5日に公表された株主宛ての書簡で、問題解決の処方箋を示した。米国は交渉の工程表を明示するとともに、何を達成したいのか目標を説明することが必要だとし、さらに最悪の結果を回避するために中国および友好国との対話を継続するべきだとしている。「深刻な貿易問題」を解決できれば、米国と世界にとって良いことになるとも指摘した。

  「貿易に関して米国が抱く多くの不満について、正当なものは認めるべきだ」とした上で、「関税や非関税の貿易障壁は多くの場合、不公平だ。知的財産権はしばしば侵害されるし、一部の国では企業への投資や企業を所有する権利が平等ではないケースが多い」と論じた。

  米政策金利が予想よりも速いペースで引き上げられる可能性など、金融市場に関するリスクにも言及。利上げが景気の勢いと連動したものでインフレが抑制されている限り、金融当局の動きは痛みをもたらさないだろうとの見方を示した。

  ただ、「多くの人はインフレ加速と賃金上昇の可能性を過小評価しており、従ってわれわれが考えているよりも急速な利上げが必要になる可能性も過小評価しているかもしれない」とし、これまでは予想以上に低い金利が予想以上に長く続いたが、今後は「予想より速く、予想より高くなる可能性もある」と記した。

  また雇用について、長く人類に恩恵をもたらしてきたテクノロジーが、経済が適応できるよりも速いスピードで雇用に影響を与えるようになったならば、「最も有効な保護策は継続的なトレーニングと教育、再教育であり、所得支援と配置転換によって支えることだ」と論じた。

原題:Dimon Sees Risk to Global Economy in U.S. Trade War With China(抜粋)

(最終段落を追加します.)
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