FBスキャンダル、ザッカーバーグ氏が業界内で孤立

  • アップルCEOらはFBを批判、他の業界リーダーは沈黙
  • 「広告主体の事業モデルの問題」と専門家は指摘

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO

Photographer: David Paul Morris
Photographer: David Paul Morris

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、いつの間にかテクノロジー業界で孤立している。

  フェイスブックは選挙広告を手掛けるケンブリッジ・アナリティカが絡んだユーザー個人情報流出スキャンダルで、米アップルのティム・クックCEOやテスラのイーロン・マスクCEO、セールスフォース・ドット・コムのマーク・ベニオフCEOから批判された。テクノロジー業界の他のリーダーらはその後のフェイスブックに対する反発が広がる中で沈黙を保っている。

  こうした状況は重大な危機の際に団結する普段の業界の動きとは対照的だ。アップルがテロ事件の容疑者が使用していた「iPhone(アイフォーン)」のセキュリティー機能解除を巡り連邦捜査局(FBI)と闘いを繰り広げた際やトランプ政権がイスラム教徒が多数派を占める国からの入国制限を昨年提案した際などは、業界を守るため各社が団結した。

  ケンブリッジ・アナリティカが5000万人ものユーザー情報を取得していたことが表面化した後、フェイスブックは自社の対外イメージと20億人余りのユーザーの信頼を回復することを目指している。ザッカーバーグ氏(33)は議会証言を求められ、議員からはテクノロジー業界に対する新たな規制案が浮上している。

ブルームバーグのサラ・フライヤー記者はフェイスブックのユーザー情報流出キャンダルについてリポート

(出所:Bloomberg)

  電子フロンティア財団の研究員、ジェニー・ゲッパート氏は「今やプライバシー保護は企業にとって有益だ」と指摘。「ユーザーはクック氏やマスク氏といったテクノロジー業界の他の大物がフェイスブックと同じことはしていないと安心させてくれるよう求めている」と述べた。

  アップルがアイフォーンの暗号解除を巡りFBIと闘っていた時、フェイスブックはアルファベット傘下のグーグルやマイクロソフトなどの大手テクノロジー企業と共にクック氏の立場を支持した。それでも故スティーブ・ジョブズ氏を含むアップル幹部らはこれまで、インターネット企業の広告事業モデルを批判してきた。

  クック氏は先月、フェイスブックの個人情報を巡る問題について問われ、ユーザー情報を取り締まるより厳しい規制が必要だと答えた。そして翌日には米リコードおよびMSNBCとのインタビューで、自分がザッカーバーグ氏の立場なら「このような事態には至らないだろう」と述べていた。フェイスブックがユーザー情報を基に顧客対象を絞り込んだ広告を販売して利益を上げているのに対し、アップルはアイフォーンや「iPad(アイパッド)」などの機器販売で利益を生み出している。ザッカーバーグ氏はクック氏の批判に対し「極めて軽薄」だと反論している。

  フェイスブックの株価はケンブリッジ・アナリティカの問題が表面化して以降の2週間で16%下落した。

  ソーシャルメディア企業が広告の売れ行きを伸ばすためにはユーザー情報を活用せざるを得ないため、そうした企業が安定した事業モデルを維持しながら強力なプライバシー保護を約束するのはさらに難しくなっている。

  テクノロジーのユーザーにとってプライバシーはセールスポイントとなっているが、ソーシャルメディア企業にとってデータの乱用は欠点ではなく特徴の1つだとゲッパート氏は指摘。「これはウェブ全体の監視ベースかつ広告主体の事業モデルの問題だ」と述べた。
   

原題:Facebook Data Scandal Has Left Zuckerberg Isolated in Tech (1)(抜粋)

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