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仮想通貨によるICO、活用のルール提言-3メガ参加研究会

更新日時
  • 幅広い企業で資金調達手段として確立目指す、世界は規制傾向
  • 7つの原則と2つのガイドライン提言、さらなる議論求める

仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)に対する規制が世界各国で強まる中、3メガバンクや証券会社などが参加する「ICOビジネス研究会」は、幅広い企業が資金調達の手段としてICOを活用できるためのルールを提言した。

  ブルームバーグが入手した資料によると、ICOを行う発行体にはベンチャー企業だけでなく、自治体や大企業なども想定。その上で、ICOが持続的な資金調達手段として確立するために必要な7つの原則と2つのガイドラインを提言している。

  ICOに使われる電子引換券「トークン」の発行では、便益提供の条件や調達資金・利益・残余財産の分配ルールを定義し、投資家や株主などに開示することを求めたほか、新規株式公開(IPO)利用時の目論見書にあたるホワイトペーパーを順守し、モニターをしていく仕組みを定めて開示すべきとしている。また、投資家や発行体の本人確認(KYC)も必要であるとした。
 
  仮想通貨やトークンを発行して資金を調達するICOは、ベンチャー企業を中心に利用が広がっている。昨年の調達額は世界で約38億ドル(約4000億円)だったのに対し、今年は4月5日までの約3か月で約50億ドル(5300億円)に増加している。一方で、資金調達手段として適切でないとの判断から中国や韓国は昨年までにICOやトークンと法定通貨の取引を禁じたほか、米国も厳しい規制下に置くべきだとしている。

  みずほ総合研究所金融調査部の原島研司研究員は、「ICOは画期的な技術であり、定義やルール作りがうまくできれば新しい資金調達手法として大きな可能性を秘めている」と述べた上で、提言をきっかけに議論・検討を重ねれば日本がICOで世界に先鞭(せんべん)をつけられるとの期待感を示した。金融庁は、仮想通貨に関する制度を見直す研究会を3月に設置しており、改正資金決済法では定義がされなかったICOへの対応も新たな議論項目として追加する。  
  
  同研究会はICOが健全かつ信頼性ある資金調達手段として普及することを目指して11月に多摩大学ルール形成戦略研究所が発足。三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクのほか、野村ホールディングス、大和証券グループ本社、住友商事や第一生命ホールディングスなど13社が参加。自民党からはIT戦略特命委員長を務める平井卓也氏が顧問として加わり、議論を重ねていた。

(第4、5段落を追加しました.)
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