NY連銀の次期総裁:金融経済学では重量級、金融市場との接点は希薄

  • 現在SF連銀総裁のウィリアムズ氏、金利政策では中道派
  • FRB正副議長と共にトロイカ体制の一角を担うことになる

ニューヨーク連銀の次期総裁への就任が決まったサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、ビデオゲームやエルビス・コステロに傾倒し、20足ものテニスシューズをTPOに合わせて履きこなす。もっとお堅いイメージの連邦準備制度の同僚とはひと味違った存在だ。

  ウォール街と実体経済の交差するニューヨーク連銀のトップという、世界の中央銀行の中でも最も強力なポジションに就くことを踏まえると、ウィリアムズ氏のスタイルの違いは一段と注目を集めることになりそうだ。

NY連銀次期総裁への就任が決まったウィリアムズ氏

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  型にとらわれないウィリアムズ氏の姿勢は、経済学を巡る思考にも反映されており、米金融当局の今後の政策に重要な意味を持つ。

  今年の米利上げ回数を3、4回と見込むウィリアムズ氏の金利政策スタンスは中道派であるが、将来のリセッション(景気後退)に備えてインフレへの対応を刷新するよう同僚の説得に努めるなど、中央銀行の教義に疑問を呈することで頭角を現してきた。

  ニューヨーク連銀総裁はこのところ、連邦準備制度理事会(FRB)の議長、副議長(現在は空席)と共に米金融当局の政策決定でトロイカ体制の一角を担ってきており、ウィリアムズ氏はパウエル議長率いる指導部の一員となる。

  FRBの元エコノミストで、コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏はウィリアムズ氏について、「最も著名な金融政策の専門家の一人だ」と評した上で、「ニューヨーク連銀就任に伴い、政策決定プロセスで一層活発な役割を果たすことになるだろう」と語った。

  ウィリアムズ氏にないのは、ニューヨーク連銀総裁として役に立つ金融業界での経験だ。ダドリー現総裁はゴールドマン・サックスの幹部だった。「回転ドア」と呼ばれる政府機関と金融業界の間の人材の往来に批判の目を向けられたくない当局には良いことかもしれない。だが、ストレスの兆候がないか金融市場を分析したり、ウォール街が行き過ぎに走った場合にそれをいさめたりして次の金融危機で手腕を発揮できるのか、適性に疑問の声が上がったのも確かだ。

  ポトマック・リバー・キャピタルの創業者兼最高投資責任者(CIO)で連邦準備制度についての共著があるマーク・スピンデル氏は、「ニューヨーク連銀と連邦準備制度全体の歴史は金融危機対応の歴史であり、危機の多くはニューヨーク発だ。ウィリアムズ氏は奇妙にも金融市場から距離を置いてものんびりしているように見受けられる」と指摘した。

Source: Bloomberg)

原題:Williams Goes to New York Heavy on Economics, Light on Markets(抜粋)

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