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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

日本株続伸、米中摩擦はエスカレート回避-米統計良く内外需広く上げ

更新日時
  • 関税応酬に米中は交渉姿勢、トランプ大統領「貿易戦争していない」
  • 午後一段高で日経平均一時400円超高、精密や不動産の上げ目立つ
An electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan.
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

5日の東京株式相場は続伸。米国と中国の貿易摩擦問題で双方が交渉姿勢を示した上、米雇用情勢の堅調さも確認され、リスク選好の買いが幅広い業種に入った。銀行や保険など金融株、不動産や陸運、医薬品、食料品株といった内需セクターのほか、精密機器や化学株も高い。

  TOPIXの終値は前日比18.48ポイント(1.1%)高の1724.61、日経平均株価は325円87銭(1.5%)高の2万1645円42銭。日経平均は3月16日以来、およそ3週間ぶりの高値水準に戻した。

  アストマックス投信投資顧問の山田拓也運用部長は、中国に対し「米国は腕を高く振り上げたものの、本音では仲良くしたい姿勢が示され、問題はエスカレートしないことがメインストーリーとなり、安心感につながっている。中国側も米国の関税対象額500億ドルと同額の対抗策を示し、問題を大きくしたくないとの姿勢がうかがえる」と指摘。米中貿易摩擦が加速度的に悪化するリスクが薄れる中、「米国経済の堅調と日本株の割安感から買い進まれた」とみていた。

Images of Tokyo Stock Exchange as Asian Stocks Slide After U.S. Tumble

東証内

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  中国は4日、米国の中国製品に対する関税への報復措置で、約500億ドル(約5兆3000億円)相当の米国からの輸入品に25%の追加関税を課す計画を発表。対象には大豆や自動車、化学品、航空機などが含まれる。

  ただし、中国の朱光耀財政次官やロス米商務長官は交渉で解決策を見いだす意向を示し、トランプ米大統領も「貿易戦争はしていない」とツイート。4日の米国株は、ダウ工業株30種平均が一時500ドル以上下げた後に切り返し、230ドル高と続伸して終えた。また、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが同日発表した3月の米民間雇用者数は、24万1000人増と市場予想の21万人増を上回った。

  この日の日本株は、中国の関税報復措置に冷静だった米国株の流れを受け続伸して開始。為替がおよそ1週間ぶりに一時1ドル=107円台まで円安方向に振れたほか、米S&P500種株価指数ミニ先物が時間外で堅調に推移し、さらに投資家心理が改善、午前終盤以降に一段高となり、日経平均は午後に418円(2%)高まで上げ幅を広げる場面があった。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米国の雇用状況は引き続き堅調。3月の非製造業総合景況指数は低下したが、水準そのものは高く、景気減速のサインにはならない」と言う。中国による対米報復関税も、「米国の名目GDP20兆ドルに対し500億ドル部分に最大25%の関税は、世界経済に与える影響は小さいと言える。貿易縮小懸念は後退し、輸出関連が多い日本株にとってもプラス」と分析した。

  東証1部33業種は精密機器、不動産、銀行、陸運、医薬品、食料品、ガラス・土石製品、化学、保険など28業種が上昇。下落は非鉄金属、鉄鋼、水産・農林、海運、電気・ガスの5業種。精密では、米国の対中関税策は若干競争優位に働くと野村証券が指摘したテルモが高い。不動産は、SMBC日興証券が株主資本利益率(ROE)の改善期待から強気のセクター判断を継続、三井不動産をトップピックに挙げる材料があった。

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループやファーストリテイリング、資生堂、エーザイ、HOYAが上げた。半面、マネックスグループや東海カーボン、ダイフク、昭和電工、海外銅市況の下落を受けた住友金属鉱山は安い。

  • 東証1部の売買高は15億4778万株、売買代金は2兆6536億円
  • 値上がり銘柄数は1327、値下がりは677
日経平均と米ダウ工業株30種平均
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