日銀総裁:出口は「内部でいろいろと議論」、早急な政策転換否定

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  • 2%まで距離ある現時点で説明するのは「ミスリーディング」
  • 出口が迫った時点で「具体的に方向性を示す」

日本銀行の黒田東彦総裁は、出口政策について日銀内では「いろいろと議論している」と述べた。一方、2%目標まで距離がある現時点で出口政策を説明するのは「ミスリーディング」だとも述べ、早急な政策転換を否定した。

  3日の衆院財務金融委員会で、野田佳彦前首相(無所属の会)の質問に答えた。黒田総裁は、市場への説明は出口が迫った時点で「具体的に方向性を示すことにならざるを得ない」と言明。現時点で具体的な手順を示すことは「必ずしも適切な市場との対話にならないのではないか」と述べた。

  総裁発言を受けて、円ドル相場は一時105円76銭まで円高に振れた。午後4時現在、1ドル=106円前後で推移している。

  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは電話取材で、財務省の公文書改ざん問題によって安倍晋三政権が弱体化し、「政策へ微調整が出てくるという思惑がある」と指摘。「黒田総裁はこれまで言っていたことを繰り返しているだけだろうが、それだけ市場が今ナーバスになっている」との見方を示した。

  黒田総裁は、低金利政策が金融機関に与える影響について、利ざやの縮小を通じて「収益に影響を及ぼす可能性がある」と認めた。市場規模が縮小する中、低金利が経営環境悪化に「さらに拍車をかけている」と指摘。特に地域金融機関は大手行と比べ「収益環境の悪化が目立っている」と述べた。

  現時点では、金融仲介機能への影響は限定的だが、長期化すれば累積的な影響が出てくる恐れがあり、「今後とも相当注意深く見ていく」としている。

  2日発表の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の業況判断指数(DI)が2年ぶりに悪化したことについては、DIは高水準で安定しており、「さらに悪化していく感じではない」と分析。ただ「景気は無限に拡大していくわけではないので、景気後退リスクも十分将来考えていく必要はある」と語った。

(4段落以降に黒田総裁の発言とエコノミストコメントを追加します.)
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