トランプ氏が「悪の巣窟」と呼ぶブリュッセル、米大使館計画に横やり

  • ブリュッセルは米国が解体する意向の建物を保護対象リストに掲載
  • 既存の建物は「1960年代のモダン建築の象徴」-地元当局者

トランプ米大統領が「ヘルホール(悪の巣窟)」と呼んだ欧州の都市ブリュッセルは、不動産開発という大統領の身近な分野でけんかを売る構えだ。

  米政府はベルギー首都にある米国大使館を現在のブリュッセル中心街から同市南部の郊外にある1万1000エーカー(約44平方キロメートル)の森に隣接する場所に移転する計画だが、ブリュッセル当局は計画を阻止する行動を取った。米政府は2016年に用地買収した際、必要な規模や現代の環境基準を満たさないとして既存の建物を解体する意向だったが、市当局は昨年、そのビルを「保護対象リスト」に掲載し、4つのウイングを持ち銅とガラスで覆われた構造を改良したり解体したりできなくする措置を講じた。

米大使館が計画する移転先にある建物

フォトグラファー:Laurie Dieffembacq / AFP via Getty Images

  記念建造物などを管理する地元当局の広報担当リディア・ジェルバシ氏は同建物について「当地域の主要な遺産だ。ブリュッセルで暮らす多くの人々にとって、1960年代のモダン建築の象徴だ」と説明。正式決定にはまだ1年かかるが、保護手続きを確認し、記念建造物に指定する方針だと述べた。

  トランプ大統領は今年初め、ロンドンで新たに建設された米大使館の開所式に出席するための訪英を中止。旧大使館が「二束三文」で売却され、「町外れ」への移転を「ひどい取引」と批判していた。また、在イスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると昨年表明し、中東和平交渉を複雑にした経緯がある。

原題:Trump Bid to Move ‘Hellhole’ Embassy Sunk by Architectural Icon(抜粋)

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