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銀行の合従連衡は必要、メガと地方銀行の連携進む-全銀協新会長

  • サービス高度化と生産性向上で収益構造変える礎に
  • 銀行の果たす社会的役割は増す、少子高齢化社会は悲観的でない

全国銀行協会(全銀協)の会長に1日付で就任した藤原弘治みずほ銀行頭取は、国内金融機関の収益性が低下している問題について、今後、顧客ニーズに対応するためにも「合従連衡が進んでいかなければならない」との見方を示した。提携や統合の形態は、これまでにない多様なものになるとしている。

  会長就任に先立つブルームバーグとのインタビューで藤原氏は、日本にはオーバーバンキング(金融機関の過剰)との見方があるのは認識していると述べた上で、これまでのメガバンク同士の統合や地域金融機関の持ち株会社化に加え、今後はメガバンクと地方銀行との連携が進むだろうと語った。顧客ニーズの変化に対応するのが大きな理由。

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藤原弘治全銀協会長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  具体的には、地方の中堅企業が海外進出をしたときにはメガバンクの海外ルートを提供する一方、地域特有のサービスは地銀に担ってもらうといった互いの強みを合わせることなどを想定。サービスの高度化と生産性向上を同時に進めることで、「収益構造を変えていく大きな礎になると信じている」と述べた。

  日本銀行は昨年10月に公表した金融システムリポートで、金融機関の従業員数、店舗数は需要対比で過剰である可能性があり、収益性を低下させる構造的要因となっていると指摘していた。リポートによると、人口と金融機関店舗数の関係では、日本はオーバーバンキングとされるドイツとほぼ同水準で、2000年代半ばにかけて金融機関統廃合が進んでも過剰が解消されないのは、人口や企業数など需要側が減少を続けているためと指摘している。

少子高齢化

  藤原氏は、少子高齢化で銀行の重要性は増すとの見方を示した。政府が「人生100年時代構想」を掲げ、長寿社会における経済・社会システムのあり方を議論する中、藤原氏は「人の寿命と資産の寿命をマッチングさせる必要がある」と述べた。07年生まれの子どもが107歳まで生きる確率が50%あると政府が示しているのを受け、藤原氏は、定年退職後に50-60年生きるのに必要な新たな資産運用プランや資産を引き継ぐための事業承継などの分野で銀行が果たす社会的な役割が大きいと述べた。

  藤原氏は全銀協会長としての1年を、銀行業界が少子高齢化を含む構造的問題に向き合い、社会課題解決に貢献する年にしたいと述べた。こうした役割を果たしていくことがビジネスにつながるとし、少子高齢化は悲観一色ではないと語った。

  日銀のマイナス金利の影響やフィンテック技術の台頭で、邦銀は預金貸し出しを軸に据えた事業構造の転換を迫られており、国内3メガ銀行は、それぞれ業務量や店舗数の削減方針を打ち出している。みずほフィナンシャルグループは3月、静岡銀行と提携し、信託や住宅ローン業務、投資信託での新サービス開発などの分野で連携すると発表していた。

  全銀協会長の任期は1年で、三井住友フィナンシャルグループ三菱UFJフィナンシャル・グループを含む3メガグループが交代で就いている。

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