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受難続くキャリートレード、ボラティリティー観測で運用改善見込めず

  • 調達資金が下落せず、有効なトレードとは思わない-チャンドラー氏
  • 円上昇で大きなプレッシャー、「リスキーなトレード」-ハラジュリ氏

1日に5兆1000億ドル(約544兆円)取引される外国為替市場で最も人気のトレーディング戦略の一つの「キャリートレード」は、この1年厳しい状況が続いている。そしてこの状況に近く歯止めがかかる可能性も低いようだ。

  金利の低い通貨で資金を調達し金利の高い通貨で運用するキャリートレードが、過去3カ月の為替市場の相対的な落ち着きにもかかわらず、このまま行くと4四半期連続でマイナスの運用になる。世界貿易を巡る緊張の高まりでボラティリティーが高まる可能性があり、アナリストにとってこれは事態好転の望みがほとんどないことを示唆している。
         
  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「金利差は大きいものの、調達通貨が下落していない」とし、「キャリートレードが有効なトレードだとは思わない」と語った。
          
        

Yen Carry

  資金調達として最も好まれている通貨の一つである円の相場上昇が、この四半期の低調なパフォーマンスの主な要因だろう。世界的に株式市場が混乱する中で円相場は年初から5%余り上昇。日本銀行による金融緩和策の縮小観測に加え、国内の政治スキャンダルが背景にある。
  
  みずほ銀行の外国為替ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏は「円のキャリートレードには円相場の急ピッチの上昇に伴い最近は大きなプレッシャーがかかっている」とし、この取引を「リスキーなトレード」と表現した。

  キャリートレードのリターンの総計を追跡するドイツ銀行の指数は年初からここまで0.8%低下し、相対価値(レラティブ・バリュー)やトレンド追求のような他の取引戦略をアンダーパフォームしている。
   
   

Carry Concerns

  先進諸国・地域の金利上昇見通しのような一段と構造的な要素もキャリートレードの長期低迷の一因だ。トロント・ドミニオン銀行の北米FX戦略責任者、マーク・マコーミック氏は「マーケットにおける世界的な体制転換は、キャリーやモメンタム型のトレードからバリュエーションに基づくアプローチに市場が移行しつつあることを示唆している」と指摘。「中央銀行による金融政策の正常化を受けて資本フローが変化する中、ボラティリティーが正常化し始めるのに伴いキャリー戦略は大きく減少するだろう」と分析した。
          
原題:More Pain Seen for Worst FX Strategy as Carry Traders Suffer (1)(抜粋)

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