仮想通貨王のバイナンス創業者、逆風に直面

  • 誕生から2四半期目に2億ドルの利益、個人資産は20億ドル
  • 仮想通貨事業は規制の地雷原-当局との協力望む趙氏

一夜で億万長者を生み出す仮想通貨業界においても、趙長鵬氏ほどの成功物語はまれだ。

  同氏は8カ月弱で、バイナンスを世界最大の仮想通貨交換業者に育て上げた。無名だった同氏がフォーブス誌の表紙を飾り、バイナンスは誕生から2四半期目に2億ドル(約210億円)の利益を上げた。趙氏(41)によれば、個人資産は20億ドルに上る。

  銀行口座も公式の住所も持たないという常識破りの企業を強い上昇気流に乗せた同氏は現在、自身とバイナンスを地上に押し戻しかねない逆風に直面している。

趙長鵬氏

Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg

  世界の仮想通貨が昨年12月のピークから、時価総額の半分以上を失ったばかりでなく、取引量は低迷し、交換業者へのハッカー攻撃は激しくなった。バイナンスにとっての最大の脅威は恐らく、世界の監督当局が、急成長を可能にした規制のない環境を警戒し、取り締まりに乗り出したことだろう。

  趙氏は2月に、日本に拠点を築くことを断念した。無免許で営業していたバイナンスに対し、金融庁が業務停止を求め警告を発したためだ。香港証券先物委員会もここ数カ月の間にバイナンスや同業者に警告を出した。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  しかし趙氏は動揺した素振りは見せない。13万9000人以上が閲覧するツイッター投稿で同氏は、「塞翁が馬」とコメント。ここ2カ月のブルームバーグとの一連のインタビューでは、規制はバイナンスにとってリスクだが、自分は当局と協力することを望んでいると語った。仮想通貨について依然として楽観的だとも述べた。

  「仮想通貨こそが未来だと100%信じている。そういう未来が来ると私は知っている」と語った。

  それほど楽観的でない見方もある。仮想通貨交換所ゲートコインのアジア太平洋地域事業開発責任者のトマス・グラックスマン氏(東京在勤)は、仮想通貨業者にとって「今は規制の地雷原という状態だ」と指摘。「仮想通貨事業を歓迎する法管轄区は数少なく、交換や新規仮想通貨公開(ICO)について明確な指針を持っているところはさらに少ない」と話した。

  趙氏の規制当局とのあつれきは、始まったばかりかもしれない。

原題:Crypto’s King of Trading Is Making a Fortune, But Can It Last?(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE