日本株は反落、米保護主義警戒で輸出や金融安い-配当落ちも影響

更新日時
  • 米国は中国からの投資制限で国際緊急経済権限法の発動を検討
  • 配当権利落ちも影響、日経平均を161.2円押し下げ

28日の東京株式相場は反落。米国が半導体など重要技術に対する中国からの投資を制限する意向が明らかになり、保護主義的な通商政策により世界経済が減速するとの懸念が再燃した。

  TOPIXの終値は前日比17.57ポイント(1.0%)安の1699.56、日経平均株価は同286円01銭(1.3%)安の2万1031円31銭。きょうは3月期決算銘柄の配当権利落ち日で、ブルームバーグ・データによるとTOPIXへの影響は15.87ポイント、日経平均は161.2円。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は「米国が中国からの投資に制限をかけるという話は、貿易戦争の終わりが遠のいたという点でネガティブだ」と指摘。「今月はじめに米国が中国に鉄鋼やアルミへの関税賦課を発表して貿易戦争に対する懸念が現実となり、どこまで対立が深まるのか分からない状況のため、投資家は売っている」と話した。

  トランプ政権が中国からの投資制限で国際緊急経済権限法の発動を検討している、と事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米財務省は半導体などで中国企業からの投資を禁じる技術セクターを特定する作業に入っている。貿易摩擦への懸念が再燃し、27日の米S&P500種株価指数は前日比1.7%安と反落した。

中国からの投資制限についてはこちらの記事をご覧ください

  日本株は前日に米中が通商政策で交渉していることで安心感が広がり急伸したため、その反動が出やすい中、米国株の下げを引き継ぐ形で大幅に反落して始まった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、米国の国際緊急経済権限法の検討は「トランプ米大統領が安全保障に絡めてさまざまな手を打っている動きの一環で、大きなマイナス材料ではないものの、米国株は昨年後半から予想以上に上昇してきたため敏感に反応してしまう」と指摘した。

  午前の取引で日経平均は一時540円(2.5%)安まで下落。しかしその後は下げ幅を縮小する展開となり、取引終盤には急速に値を戻した。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「きのうと同様に配当権利落ちの再投資が入っているのではないか」とみていた。また、大和住銀投信の門司氏は「いまは米中貿易摩擦が拡大するとの悪いシナリオを織り込んでいるが、例えば中国製品への関税の対象品目が判明すれば、株価はあく抜けして反発することも考えられる」と話した。

  東証1部33業種では、米テクノロジー株の大幅安を引き継いだ電機、米長期金利の低下を受けた銀行のほか、情報・通信や卸売がTOPIXの下落寄与度上位。石油・石炭製品、鉱業、非鉄金属といった資源関連も下げが大きかった。電気・ガスやゴム製品は上昇した。売買代金上位では、燃費改ざんは組織ぐるみの可能性と報じられたSUBARU、JPモルガン証券が格下げしたスルガ銀行が下落。一方、今期増益計画を発表したニトリホールディングスは上昇した。

  • 東証1部の売買高は概算で14億1231万株、売買代金は2兆7387億円
  • 値上がり銘柄数は571、値下がり銘柄数は1436
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