コンテンツにスキップする

コメルツ銀株の処分はいかに-ドイツ政府が持つ4つの選択肢

ドイツ政府が国内第2の銀行であるコメルツ銀行を救済した当時、同行株を長期保有する計画ではなかった。しかし救済から約10年がたった今も、近く売却する様子はなさそうだ。

  第4次メルケル政権発足に向けた連立協議で、コメルツ銀株15.5%の放出は議題にすら上らなかったと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。政府関係者の1人は、条件が完全に整わない限り近い将来の売却は考えられないと語った。しかしながら、ドイツでのプレゼンスを高めたい複数の銀行がコメルツ銀株の行方を注視しており、ドイツ政府にはいくつかの選択肢がある。

売らない

  コメルツ銀株は現在11ユーロ前後で推移している。これは政府の取得価格の半分以下で、今売れば損失が確定し、税金の無駄遣い批判にさらされる。政府財政は3年連続の黒字のため、資金回収を急ぐ必要もない。金利が上昇しコメルツ銀の収益見通しが改善するまで待てるという余裕がある。関係者の1人によると、財務省内でのこれまでの協議で政府は1株当たり25ユーロ前後での放出を希望していた。

値引きして売る

  フランスのBNPパリバやイタリアのウニクレディトが独政府に対しコメルツ銀株への関心を表明したが、政府が希望する価格に合意するところはなかったと、これらの協議について説明を受けた関係者が述べた。ただ、多くのバンカーは政府が17-18ユーロでの売却に同意する可能性があるとみている。独財務省はこの記事についてコメントを控えた。

欧州の業界統合

  フランスとドイツの両政府はユーロ圏の統合深化を望む考えを表明している。仏銀と独銀の合併はマクロン大統領とメルケル首相にとって、政治的意図を明確に発信するイベントとして好都合かもしれない。マクロン大統領のカスタナー報道官は昨年、BNPとコメルツ銀の合併の臆測について好意的に反応した。同氏もドイツ当局者も、決定するのは銀行だとしている。ブルームバーグ・インテリジェンスのマルタ・バストーニ氏によれば、イタリアのウニクレディトとの統合は高コストの支店網をスリム化できるためよりメリットが大きい。

ドイツ国内大連合

  ドイツ銀へのコメルツ銀株売却も選択肢だ。両行は約2年前に合併を協議したと事情に詳しい関係者が当時述べており、協議が復活する可能性はある。プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社のサーベラスが昨年、両行の株式を取得したことで合併観測が再燃した。サーベラスも、ドイツ銀のジョン・クライアン、コメルツ銀のマルティン・ツィールケ両最高経営責任者(CEO)も今はその時期ではないと考えているとされるが、ドイツ銀との合併ならばコメルツ銀の経営権を独国内にとどめておける利点がある。

Bulk Up to Survive

Commerzbank as a ‘bolt-on’ acquisition for the euro zone’s biggest banks

Source: Bloomberg

原題:How Germany Might Sell Its Commerzbank Stake: Four Scenarios(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE