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Photographer: Simon Dawson
cojp

通貨の大海に「鯨」泳ぎ出す、貿易戦争ヒートアップ

  • 世界の中銀、外貨準備5000億ドルをユーロにシフトへ-ノルドビグ氏
  • 米国の保護主義で投資対象としてドルの魅力は低下
Twenty euro banknotes are arranged for a photograph inside a Travelex store, operated by Travelex Holdings Ltd., in London, U.K., on Monday, Jan. 12, 2015. The euro approached a nine-year low against the dollar as European Central Bank officials fueled speculation the institution will start a program of government-bond buying as early as next week to stave off deflation.
Photographer: Simon Dawson

米国での保護主義台頭に対応し、世界の中央銀行はドル以外の通貨に目を向け始めた。中銀の外貨準備がユーロに流れる環境が例外的に整っていると、指摘するウォール街のストラテジストは多い。

  世界の外貨準備、11兆3000億ドル(約1190兆円)のうち、当然ながら最大シェアの通貨はドルだ。だがトランプ大統領の貿易政策に対するヘッジであれ、通貨の分散が名目であれ、小さなシフトが起きれば大きな影響を及ぼし得る。ユーロは域内で長引く混乱やマイナス金利で、数年にわたりシェアを落としてきたが、世界の主要中央銀行のいくつかはユーロを増やすことを検討していると、中銀と定期的に意見を交換している為替戦略担当責任者2人が明らかにした。

Buying Opportunity

  1年程前にエグザンテ・データを立ち上げるまでの5年間、ウォール街の為替ストラテジストとして毎年トップにランクされたイェンス・ノルドビグ氏は、「欧州との通商関係を強化しようとする国は多い。これが資本市場や外貨準備の配分の面でも起きるというのは、奇抜な考えではない。重要なのは、米国が現在取っている通商政策の姿勢は(世界の中銀にとって)ドルの魅力を薄れさせているということだ」と述べた。

  ノルドビグ氏は今後2年間で5000億ドルがユーロに流入し、世界の外貨準備に占めるユーロの比率を25%押し上げると見込む。

世界の外貨準備 国別ランキング保有額:単位は10億ドル
中国3,134.48
日本1,198.86
スイス 785.70
サウジアラビア 494.49
台湾   456.72
香港 443.50
インド 396.33
韓国 394.80
ブラジル 382.77
ロシア 373.06

  同氏によると、ユーロの配分を引き上げる公算が最も大きいのは、国際貿易への依存度が高い新興国や中東の産油国。ブルームバーグがまとめたデータでは、中国とサウジアラビア、台湾、インド、韓国、ブラジルの新興6カ国が世界の外貨準備全体のほぼ半分を握る。

  現時点では世界の外貨準備の約64%がドルで占められる。ユーロは通貨別で2位だが、ドルに大差を付けられて全体の20%にすぎない。

外貨準備資産、通貨別額:単位10億ドル全体に占める比率
米ドル  6,125.6363.50%
ユーロ  1,932.8420.04%
日本円    435.98  4.52%
英ポンド    433.47  4.49%
カナダドル    192.81  2.00%
オーストラリアドル    171.13  1.77%
中国人民元    107.94  1.12%

原題:As Trade War Heats Up, Biggest Currency Whales Make Their Move(抜粋)

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