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中国人民銀の党委書記に郭樹清氏か-就任した場合の意味合い検証

  • 周前総裁は党委書記を兼務-劉副首相と郭氏、易総裁に注目する必要
  • 習氏が共産党の優位性をいかに重視しているかを示す新たな一例に

中国人民銀行(中央銀行)の共産党委員会書記に、習近平国家主席が重視する金融システムのリスク抑制を進め、銀行保険監督管理委員会を率いる郭樹清氏が任命されたと米紙ニューヨーク・タイムズが25日報じた。これが事実と確認された場合の意味合いは以下の通り。

党委書記の役割とは

  中国政府の各省庁や国有企業には共産党が指名する代表者がいる。党の方針を伝え、担当する機関の業務を党に報告することが目的だ。

Financial Sector Delegation News Conference at the 19th National Congress of the Communist Party of China

郭樹清氏

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  習主席は政府の業務や中国経済における共産党の役割を拡大している。先に閉幕した全国人民代表大会(全人代)で承認された政府の機構改革は「共産党による国家指導体制を強化する」ことが狙いだった。

  人民銀は中国国内で強力な機関であることは間違いなく、そのバランスシートも世界の市場を動かすほど大きな規模だが、政府や党に比べて下位に位置付けられる。米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)とは異なり、人民銀は独立した機関ではない。

  ブルームバーグのエコノミスト、トム・オーリック、万千両氏はリポートで、「これは市場改革と開放を巡り周小川前総裁時代の継続を示唆しているかもしれない」と指摘。「郭氏は経験豊富で重量級の政策当局者であり、市場改革を進めてきた経歴がある」と記した。

人民銀総裁と役割がどう違うのか

  直近では人民銀総裁が党委書記を兼務していた。約15年にわたり人民銀を率いた周前総裁は官僚としての経験から政治的基調を管理し、上層部に金融の開放への道をさらに進むよう促していた。

  実際に人民銀総裁と党委書記をそれぞれ任命することになれば、習氏率いる中国が共産党の優位性をいかに重視しているかを示す新たな一例となる。例えば、独立した中銀総裁であれば金融引き締めペースが速過ぎるなどとして政治指導者と衝突することもあり得るが、人民銀総裁が習氏の意向に反する政策を実行する可能性は今ではゼロに一層近づいた。

中国の金融政策にとっての意味合い

  恐らくそれほど大きな意味合いはないだろう。人民銀の易綱新総裁は「慎重かつ中立的な」政策を続ける考えをあらためて示している。つまり、銀行システムの流動性を比較的引き締め気味に維持しつつ、経済全般の借り入れコストは今後も低くすることを意味する。

  中国の今後の金融政策を見極めようとしている海外投資家にとっては、1人の当局者だけをウオッチするのではなく、経済・金融面の政策を担当する劉鶴副首相と郭氏、易総裁の少なくとも3人の動向を観察していく必要があるだろう。

  調査会社トリビアム・チャイナの共同創業者、アンドルー・ポーク氏(北京在勤)は「劉副首相が戦略を練り、郭氏は執行者、易総裁は実行者になる」と分析。「この1年半にわたり銀行業監督管理委員会(銀監会)が提示してきた新たな法案や規制案の背後にいた主要人物は郭氏だ。これらはリスク低減プログラムにとって極めて重要だった」と述べた。

原題:Guo Shuqing as PBOC Party Chief and What It Means for China (1)(抜粋)

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