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中国で産声上げる自動運転の半導体新興企業-輸入依存から脱却目指す

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  • 百度の元AI責任者設立の地平線、エヌビディアなどに狙い定める
  • 中国は高性能半導体やAIに製造業の軸足を移し付加価値高める

中国当局は10年以内に3000万台の自動運転車を配置することを目指し、国内半導体産業の育成を進めている。これに伴い、車載半導体を手掛ける地平線机器人(ホライズン・ロボティクス)などの新興企業が台頭しつつある。

  自動運転ビジネスが緒に就き、世界貿易を巡る不透明感が広がる中、北京に本社を置く地平線はエヌビディアモービルアイに狙いを定めている。ガートナーによると、自動運転車に使われる半導体の世界の年間売上高は2021年までに50億ドル(約5250億円)と2倍強に拡大する見通しだ。

Horizon Robotics

地平線の半導体「ジャーニー」が感知した対象物が試験中の車内ディスプレーに表示

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  中国はコモディティー化しやすいスマートフォンやテレビから、自動運転や宇宙船にも使える高性能半導体や人工知能(AI)に製造業の軸足を移し付加価値を高めようとしており、地平線はその一例となっている。この政策により、中国は原油輸入額を上回る年1兆7500億元(約29兆円)に上る半導体輸入を減らすことになりそうだ。

  清華大学微電子学研究所の魏少軍所長は上海で開かれたフォーラムで、「中国に対する米政府の保護主義を巡りわれわれが懸念を強める中、安心感を高めるには自前の半導体技術の開発に全力を挙げる必要がある」と述べた。

  これは習近平国家主席の優先課題の一つにもなっており、国内半導体企業への投資資金として最大2000億元を集めることを目指しているとブルームバーグは先に報じていた。

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車内に取り付けられた地平線の半導体

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  中国政府系の国家集成電路産業投資基金の丁文武総裁は「皆が同じスタートラインに立っており、中国には機会が生まれている」と話す。

  地平線は、百度(バイドゥ)で深層学習研究院と呼ばれるAI事業責任者だった余凱氏が15年に創業。同社にはインテル・キャピタルや上海に拠点を置く嘉実基金管理(ハーベスト・ファンド・マネジメント)、ロシアの富豪ユーリー・ミリネル氏、国有の中国建銀投資などが出資している。昨年12月には1億ドルの資金調達を完了した。

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Source: Gartner, Bloomberg Intelligence

  地平線が開発する郵便切手よりも小さい回路基板は「ジャーニー1.0」と呼ばれ、1月に開かれた米ラスベガスの家電見本市「CES」では米ゼネラル・モーターズ(GM)の「GMCユーコンXL」に搭載された。この半導体を使えば歩行者や車両、車線など最大200の目標物をリアルタイムで感知し、自動運転車の衝突回避を支援できる。

  地平線は将来の自動運転車を見据え、フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディや米フォード・モーターの中国合弁パートナーである重慶長安汽車、ドイツの自動車部品メーカーのロバート・ボッシュと協力している。長安汽車の自動運転車は16年に中国国内で1200マイル(約1930キロメートル)の路上テストを終えた。

  中国政府は今後10年で約1500億ドルを投じる方針だ。清華大の魏氏は「世界の主要国は産業のアップグレードに向けて政策や人材、資本など全資源を投じている。中国も例外ではない」と語った。

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地平線の第2世代「ジャーニー」半導体

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

原題:China Seeks Its Own Brains to Steer 30 Million Autonomous Cars(抜粋)

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