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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

トランプ政権の関税だけじゃない-アジアにくすぶる別の貿易問題

  • 電子機器の部品の多くが中国内で製造されるのは時間の問題か
  • バリューチェーンでの成熟で中国が顧客から競争相手に変わるリスク
Drones sit on desks as employees work in front of computers in a testing facility at the EHang Inc. headquarters in Guangzhou, China, on Thursday, Nov. 2, 2017. The Chinese startup has developed a flying car that it plans to roll out as soon as next year. The E-184 drone can carry one passenger in its small cockpit, but the firm says it's working on a model that can carry two.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国経済の目覚ましい成長は、高性能の部品や機械を供給してきた日本や韓国、台湾の輸出企業の大きな支えとなってきた。だが今、バリューチェーン上で中国が成熟するに従って中国が顧客から競争相手に変わるというリスクが生じている。

  日本の2017年の中国向け輸出は14兆8914億円と過去最大に達したほか、韓国の対中輸出はこの10年間で70%増加、台湾の対中輸出も過去最大を記録した。

中国向けの輸出は増加

日本、韓国、台湾の対中輸出

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  ただ、貿易統計の細目を見ると、そのリスクが浮き彫りになる。例えば、半導体や半導体製造装置の貿易だ。韓国のSKハイニックスなどの部品の売り上げは、北アジアからの中国向け輸出増に寄与した。だが一方で、安川電機の半導体製造装置などの対中売上高も急増している。中国政府の後ろ盾がある基金が最大315億ドル(約3兆3000億円)を国内半導体産業の発展のために近く投下する見通しで、売買の流れがシフトする可能性がある。

半導体と半導体製造装置の中国向け輸出が増加

半導体や製造装置の対中輸出

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  中国が「メイド・イン・チャイナ2025」と名付けた計画で示した野心は半導体にとどまらない。バイオ医薬品や人工知能(AI)、新エネルギー車など広い領域での技術的進歩が視野に入っている。日本や韓国、台湾にとっての難問はドイツなど欧州の輸出国にも当てはまる。トランプ米政権が発動した関税措置に続くリスクとなりそうだ。

  「韓国や日本、台湾、米国、ドイツが現在幅を利かせている世界サプライチェーン上の領域は、10年に及ぶ産業戦略の下で中国が入り込もうとしている領域だ」と、ブルームバーグのアジア担当チーフエコノミストのトム・オーリック氏は言う。エレクトロニクス製品の部品の多くが中国国内で製造されるようになるのは時間の問題で、中国は自動車の輸出国となる軌道上にもあるという。いずれ航空機も国外企業に売ることになるはずだと同氏は付け加えた。

  ブルームバーグ・エコノミクスおよびブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストが中国が入り込んでくると予想する業界は以下の通り。

  • 電気自動車
  • 自動運転システム
  • 太陽電池
  • ロボット工学
  • 工作機械
  • 医療機器 
  • 電子センサー

 
  「センサーは日本が独占しており、中国が追いつくにはしばらく時間がかかる可能性があるとブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ニッキー・ルー氏は指摘。その上で「今後5年内かもしれない。ただ、中国はゆっくりと台頭している」と述べた。

原題:As Trump Takes on China, Another Trade Challenge Looms in Asia(抜粋)

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