Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株全面安、米中貿易戦争と円高リスク-全33業種下げ半年ぶり安値

更新日時
  • トランプ米大統領が中国製品の関税賦課令に署名、中国も相互課税へ
  • 日経平均は一時1000円以上下落、為替16年11月来の1ドル=104円台

23日の東京株式相場は全面安、主要株価指数はおよそ半年ぶりの安値を付けた。米国が中国に対する知財制裁関税を発表、中国も対抗措置に動き、米中貿易戦争への発展が警戒された。為替の円高進行で企業業績への不安も強まり、機械や電機など輸出株中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比62.45ポイント(3.6%)安の1664.94、日経平均株価は974円13銭(4.5%)安の2万0617円86銭。両指数の下落率は2月6日以来の大きさ、水準はTOPIXが昨年9月27日以来、日経平均は同10月3日以来の安値となった。

  アセットマネジメントOneの青木隆ファンドマネジャーは、「今回の米国の関税策による直接的な影響は、経済的には決して大きくない」としつつ、米経済のサプライズ指数が下向きになるなど「景気実体にピーク不安がある中、もし米中が報復合戦となれば、世界経済に与える影響は無視できない。ファンダメンタルズへの不安感が根底にある」と言う。

株価ボード前の歩行者(イメージ)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  トランプ米大統領は22日、少なくとも500億ドル(約5兆2800億円)相当の中国製品への関税賦課を命じる大統領令に署名した。航空宇宙、情報・通信技術、機械などの輸入に対し25%の関税を課す。大統領は署名の際、「多数のうちの第1弾だ」と語った。これを受け中国は23日、米国からの鉄鋼や豚肉などの輸入品30億ドル(約3100億円)相当に相互関税を課す計画を発表した。

  22日の米国株は、ダウ工業株30種平均が724ドル(2.9%)安と6週間ぶりの大幅安。23日のアジア時間でも、米株先物は軟調に推移した。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、「昨日の米国株の下げは世界貿易量が1%減、米成長率が0.5%低下することを織り込んだ水準」と試算。ただ、鉄鋼・アルミは選挙対策を意識した貿易交渉戦術だったが、「今回はトランプ大統領の米国第一政策だけでなく、共和・民主問わず通常の経済国と違う行動パターンを取ってきた中国に対する警戒が強くなっていることが背景。根が深く、完全に市場が織り込むまで時間がかかる」と懸念を示した。

  為替市場ではリスク回避の円高が進行。きょうのドル・円は一時1ドル=104円60銭台と、2016年11月以来の105円割れとなった。前日の日本株終値時点は105円90銭。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「ドル・円は17年の期中平均が111円のため、104円台、103円台と円高がさらに進めば、来期の企業想定レートが100円に接近し、期初の業績計画を押し下げる」と分析。同証の試算では、100円前提なら主要企業の来期純利益は今期予想比4.2%減になる。

  東証1部33業種は全て下げ、下落率上位は機械、精密機器、非鉄金属、ガラス・土石製品、鉱業、電機、化学、ゴム製品など。売買代金上位ではソフトバンクグループやファーストリテイリングなど日経平均の指数影響度が大きい銘柄が大幅安。ファナックや東京エレクトロン、コマツ、SMC、ダイキン工業など設備投資関連や中国関連株の下げも目立った。

  • 東証1部の売買高は19億1438万株、売買代金は3兆6039億円、代金は2月13日以来の大きさに膨らんだ
  • 値上がり銘柄数はわずか29、値下がりは2042に達した、全体の98%が安い
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