Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

ドルLIBOR上昇、世界に余波拡大-サウジや香港で当局は対応苦慮

  • 3カ月物ドルLIBOR、21日は2.27%に上昇-08年以来の高水準
  • 豪州の短期資金調達コストも急騰、3月は2010年以来の上昇幅へ

ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の上昇は、世界各地の短期金融市場に影響を広げている。

  3カ月物ドルLIBORは21日に2.27%に上昇し、2008年以来の高水準に達した。金融機関や政策担当者はこの展開を把握し始めたばかりで、LIBORにはまだ上昇余地があると懸念されている。

  ブリーン・キャピタルの金利担当責任者、ラス・サート氏は「金融環境を引き締める要素がいわば完全にそろっている」と指摘。「銀行はまだ潤沢な流動性を確保しているが、費用は上昇した」と述べた。

  LIBOR上昇は2月に米国で債務上限が引き上げられて以降の米短期債の大量発行、米金融当局の政策引き締めなどが背景にある。また米税制改革の影響で、米企業が海外滞留資金を国内に戻すため長期の証券を手じまうとの観測も要因とされている。いずれにせよ、LIBOR上昇は世界的な現象になってきた。

中東

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを継続する構えを示す中で、資本逃避の阻止に努めるサウジアラビア当局はLIBOR上昇で難しい状況に追い込まれている。

  同国の銀行間取引金利、SAIBORは2月にドルLIBORを2009年以降で初めて下回り、サウジアラビア通貨庁(中央銀行に相当)は先週、政策金利をほぼ10年ぶりに引き上げた。この動きでSAIBORはLIBORの水準に近づき、預金者にとって資金をドルに移す魅力は低下した。

香港

  LIBOR上昇は香港ドルと米ドルのペッグ制を巡る不透明感を増幅させている。LIBORは香港銀行間取引金利(HIBOR)を117ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る。この格差は2008年以降で最大で、香港ドルを許容変動幅の下限に追いやっている。香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)が介入するとの観測も浮上し、ブルームバーグが調査したアナリストの過半数はHKMAの介入を見込んでいると回答した。

オーストラリア

  オーストラリアの金融機関にとっては、海外での資金調達コスト上昇が国内での調達を後押しする可能性があると、トロント・ドミニオン銀行のプラシャント・ニューナハ氏が先週のリポートで指摘。結果として、オーストラリアの銀行間短期資金調達コストは3月の上昇幅が2010年以降で最大となりそうな様相だ。

原題:Soaring U.S. Libor Trickles Into Funding Markets Worldwide (2)(抜粋)

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