すしの名店が「トランプホテル」で開店-ホワイトハウスに近いのが売り

  • 「スシ・ナカザワ」、ワシントンのトランプホテル内で4月開店
  • インテリアが金色のホテルとは対照的、落ち着いた装飾の店内

ワシントンで最も有名な住所と言えばペンシルベニア通り1600番地だ。その地に建つホワイトハウスのあるじになる前のドナルド・トランプ氏が近くに開業したホテルで、少なくともグルメにはたまらないレストランが4月後半にオープンする。

  2016年9月に開業したワシントンの「トランプ・インターナショナル・ホテル」には、有名シェフのホセ・アンドレス氏のスペイン・日本食レストランがもともと入る予定だったが、16年の大統領選への出馬表明時にトランプ氏がメキシコからの移民を「レイプ犯」と呼んだことから、自らも移民であるアンドレス氏は手を引いた。ロビー内にビストロを開く計画だった食専門のテレビ局「フード・ネットワーク」のスター、ジェフリー・ザカリアン氏もアンドレス氏に続いた。

ワシントンの「スシ・ナカザワ」

写真家:ブルームバーグ・ビジネスウィークのためのDeb Lindsey

  「トランプ」という劇薬のようなブランドにもかかわらず、郵便局として使われていたロマネスク建築の歴史的な建造物を借り受け営業するこのホテルでのチャンスを感じたのが、起業家でリスクを取るのが大好きなアレッサンドロ・ボルゴニョン氏だ。

  東京・銀座のすし職人、小野二郎さんを追ったドキュメンタリー「二郎は鮨の夢を見る」を見たボルゴニョン氏は、小野さんの弟子の1人でこの映画にも登場する中澤大祐氏に連絡。中澤氏の「スシ・ナカザワ」は13年の開店以来、ニューヨークで最も予約が難しいレストランの1つで、午前0時1分に予約受け付けが始まると、0時2分までにはもういっぱいになる。

  ボルゴニョン氏はトランプ家と交渉を重ね、ホテル内のスペースを利用する契約を結んだ。「レストランはどこだと尋ねられたら、ホワイトハウスの2ブロック先だと言うのさ。それが最高にクール」だと同氏は話す。

  ボルゴニョン氏は家主の言動にこだわらないと決める一方で、アンドレス氏にはわびた。アンドレス氏は後にインタビューで、「誰がその建物を保持しているかより、建物そのものをうまく生かすことが重要で、それがワシントンに役立つと信じている」と語った。

スシ・ナカザワ内の装飾

写真家:Deb Lindsey

  ホテルの派手な金色のインテリアとは対照的に、スシ・ナカザワ内の装飾は木材を基調した落ち着いたものになる。使われる器は、中澤氏が最近帰国した際に仕入れた備前焼だ。 「うまくいかない可能性があるのは分かっている。どれだけ私たちがこのレストランに自信があるとしても、トランプという名前の影響はあり得る」とボルゴニョン氏は打ち明けてくれた。

(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)

原題:The Most Polarizing Restaurant in Washington Is About to Open(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE