コンテンツにスキップする

広島銀が私募リート組成開始へ、運用難の地元資金取り込み地域振興

不動産投資信託(リート)への投融資に取り組む広島銀行は、私募リートの組成にも乗り出す。運用難の地元投資家の資金を取り込み、地方に眠る資産を有効活用し、地域活性化に貢献する。

  同行はこのほど、全額出資の私募リート運用会社「ひろぎんリートマネジメント」を設立。3月にもリートの組成・運用を開始する。同行法人営業部・事業支援室の山田寛之氏は、ブルームバーグとのインタビューで投資家層について「地元の企業や信用組合などを想定している」と述べた。

  広島県を中心にした地方創生プロジェクトに生かすため、オフィスビルやホテルなどを投資対象にしたリートを組成。自らも出資して運用する。規模や利回り、投資物件は明らかにしなかったが、広島駅前再開発のような大型プロジェクトも「投資対象となりうる」という。

  マイナス金利下で貸し出し難の地方銀行は不動産投資を拡大、人気が高い私募のリート市場では4割を占める最大の投資家となっている。Jリート向け融資残高も増加、アイビー総研の調査では2017年上期で広島銀は約240億円となった。地方の中でも広島・札幌・仙台・福岡の主要4都市は外国人観光客の増加を背景に、不動産への投資資金を引き寄せており、17年公示地価によると4都市商業地の上昇率は6.9%と東京圏(3.1%)を上回った。

  S&Pグローバル・レーティングの吉澤亮二主席アナリストは、「金融機関にとって金利収入が限られる中、地方中核都市が地元基盤であれば自らリートを組成し、顧客の資金需要を助けるというのは評価できる。これができるのは広島、福岡や仙台などに限られる」との見方を示した。農中信託銀行の新海秀之・シニアファンドマネジャーは、「広島銀行にとって地元の再開発プロジェクトの融資を主体的に進められる」側面もあると話す。

国内私募リートの投資家分布状況

  一方で、課題として地方都市に特化したリートに投資家の資金がどのくらい集まるのか疑問の声もある。三井住友トラスト基礎研究所の私募投資顧問部副部長・主任研究員の前田清能氏は、「景気後退局面だと地方の物件は流動性が落ち、中央の金融機関は地方限定のリートには投資をしたがらないというリスクもある」と指摘。地元の信金、信組などだけで「当初予定の資金を十分消化できるか心配だ」と語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE