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トランプ米大統領はモラー特別検察官を解任できるのか-QuickTake

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ホワイトハウスはトランプ大統領はモラー特別検察官解任を検討していないとしているが、トランプ大統領はロシアによる2016年米大統領選介入疑惑を捜査するモラー氏を直接批判し始めている。特別検察官はある程度の独立性と自立性を有するが、聖域ではない。モラー氏解任が可能か、可能であればどのようなプロセスになるかを以下に概説する。

1.トランプ大統領はモラー氏を解任できるか

  直接解任はできない。特別検察官は、自分の任命権者である司法省当局者に対して責任を負っている。通常は司法長官だが、モラー氏の場合はセッションズ司法長官がロシア疑惑調査の指揮から外れたため、ローゼンスタイン司法副長官となる。

2.ローゼンスタイン司法副長官だけがモラー氏を解任できるか

  技術的には正しい。「不正行為、職務怠慢、能力不足、利益相反」などの「正当な理由」があることが条件だが、ローゼンスタイン副長官は昨年12月13日、こうした理由は見当たらないと述べている。仮定の話だが、トランプ大統領がローゼンスタイン氏にモラー氏解任を命じ、ローゼンスタイン氏が拒否した場合は同氏を更迭し、後任に再びモラー氏解任を命じることもあり得る。

3.ローゼンスタイン司法副長官を更迭なら後任は誰になるか

  2月までなら司法省ナンバー3のブランド司法次官だったが、同次官はウォルマートの執行副社長就任のため2月に辞任した。新たな司法次官が指名され、上院で承認されるまでは、フランシスコ訟務長官になる。

4.フランシスコ氏もモラー氏解任を拒否したらどうなるか

  トランプ大統領はフランシスコ氏も更迭し、その後、同意する人が見つかるまで更迭を繰り返すことが可能だ。これは1973年に当時のニクソン大統領が、ウォーターゲート事件を捜査していたコックス特別検察官の解任を3人の司法省当局者に命じた、いわゆる「土曜日の夜の虐殺」を想起させる。

5.トランプ大統領にほかの選択肢はないのか

  モラー特別検察官を解任しなくてもロシア捜査を骨抜きにする方法がある。特別検察官を定めた1999年のルールの下で、ローゼンスタイン司法副長官ないしその後任は、捜査の戦略ないし方法が不適正ないし不当だと確認した場合に捜査を切り上げることが可能だ。また、トランプ大統領がセッションズ司法長官の後任がローゼンスタイン副長官から捜査指揮権を取り戻し、モラー氏を解任すると期待してセッションズ長官を更迭するシナリオもある。さらに、トランプ大統領が特別検察官制度を定めた法規を廃止する大統領令を発令した後、大統領自らモラー氏を解任することもあり得る。

6.モラー特別検察官を解任した場合、トランプ大統領は弾劾されるのか

  大統領を罷免するのは法的プロセスではなく、政治的なプロセスだ。この問題は議会が鍵を握る。

原題:Can Trump Dismiss the Special Counsel? Not Exactly: QuickTake(抜粋)

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