次のFOMC予測、理解の鍵はドット・プロットにあり-QuickTake

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米連邦準備制度が2012年1月以降3カ月ごとに公表してきた当局者の金利予測を分布したチャートは恐らく、世界の金融市場で最も綿密に精査される散布図だ。当局が望むと望まないとにかかわらず、この「ドット・プロット」は米当局の事実上の金融政策見通しになっているため、更新時はアナリストの繁忙期だ。また、連邦公開市場委員会(FOMC)内部の反対意見の手掛かりを与える重要な情報源でもある。21日に公表される最新のドット・プロットを巡る大きな問題は、昨年12月の予想中央値と同じ年内3回の利上げ見通しではなく、4回の利上げを示唆するかどうかだ。

1.何がドット・プロットに点描されるのか?

  チャートはFOMC参加者が予想するフェデラルファンド(FF)金利のあるべき水準を点で示している。参加者はFF金利誘導目標レンジの中間点について、向こう3年の年末と長期の予想水準をドットで示す。投資家はドットの中央値に注目する。FOMCに参加する理事7人と地区連銀総裁12人の計19人がドットを提示できる。(現時点で理事4人が空席のため今週示されるドットは15にとどまる)

2.現在のドット・プロットの水準は?

  昨年12月のFOMC後に公表された直近のドット・プロットは、FF金利誘導目標が現在の1.25-1.5%から2020年末までに3-3.25%のレンジへ緩やかに上昇することが示されている。

3.FF金利予測のメリットは?

  ドット・プロットは金融危機後に導入した前例のない景気支援策からのシフトを市場に備えさせる方法を当局が検討していた11年後半に考案された。 当時のバーナンキFRB議長とイエレン副議長は、当面の政策決定よりもっと先の政策スタンスについての当局の考えを市場に示す手段としてドット・プロットを位置付けていた。

4.なぜ重要なのか?

  ドット・プロットがシフトすると、米金融当局が計画した金融引き締めを加速ないし減速させる見通しを示す強力なメッセージになり得る。また、当局の見解と金融市場の見通しの差を鮮明にできるベンチマークにもなる。

5.当局者がどのドットを示したのか分かるか?

  答えはノーだ。ドットには記名がないため、どの予想がFRB議長が示したものかを知る方法はない。ドット・プロットの匿名性は、ファンだけでなく批評家もいる理由の1つだ。

6.ドット・プロットを嫌う人の他の指摘は?

  最大の不満はFOMCのコミットメントを反映せず、より強力なシグナルになる正式な予想コンセンサスではないことだろう。また、FOMCでは12地区連銀総裁のうち5人しか投票権を持たないことも状況を複雑にしており、ドットが長期的なFOMCの意向を正確に反映するのか疑問を投げ掛けている。

7.ドットに関するFRB首脳の見解は?

  イエレン前議長のドット・プロットに関する見解は任期中に変化した。14年3月の議長就任後初のFOMC後記者会見では、分布図をFOMCによる政策説明の主要な方法として注目すべきではないと指摘。それから2年後の16年には、世界的な金融市場の混乱の中で当局者の同年の利上げ回数予想が以前の4回から2回に減ったことについて、世界経済に関する幾分ゆっくりとした成長軌道と信用状況の引き締まりを主に反映していると分析していた。

8.ドット・プロットは存続するか?

  その可能性はある。イエレン前議長の後任として2月に就任したパウエル議長は、FRB理事だった16年2月にスピーチで四半期予測についてこれらの問題を取り上げて批判した。FRBのコミュニケーション戦略の見直しを進める中でパウエル議長が何らかの対応を取る機会はある。

原題:Do You Dot Plot? Understanding the Next Fed Forecast: QuickTake(抜粋)

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