ドルは106円台前半、FOMC控えて小じっかり-米利上げペースに注目

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  • 世耕経産相の米関税除外に関する発言で円売りとの指摘も
  • FOMCで米金利と為替の連動戻るかに注目-あおぞら銀

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=106円台前半で小じっかり。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて米利上げペース加速の可能性が意識される中、ドル買い・円売りがやや優勢となった。

  ドル・円は午後3時41分現在、前日比0.2%高の106円28銭。朝方付けた105円93銭を日中安値にじり高となり、一時106円35銭まで値を切り上げた。ポンド・円やユーロ・円などクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)での円売りがドル・円の支えとなった。市場では、世耕弘成経産相が午前の記者会見で米国の鉄鋼・アルミ関税について日本製品が品目別で除外される可能性は高いと発言したことも多少円売りに作用したとの指摘も聞かれた。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課の渡辺秀生課長は、ドル・円は「FOMCに向けたポジション調整中心」の動きと説明した上で、FOMCでは「今年の利上げ回数が3回から4回に引き上がるか」が焦点になると指摘。「今年に入り金利と為替の連動性が薄れているため、仮にタカ派的なトーンが出て、米金利が上がった時にドルが上がれるかどうかが注目。米金利が上昇してもドルが今一つ上に行けないという状況になれば、先々の105円割れなどのリスクも視野に入ってくる」と話した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長の下で初となる今回のFOMCでは、利上げは100%市場に織り込まれている。政策決定についての声明と最新の経済予測は日本時間22日午前3時に公表され、その後パウエル議長が記者会見する。昨年12月の前回予測では、今年の利上げ回数見通しは中央値で3回とされていたが、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなどの金融機関は、同見通しの中央値が最新の予測で4回に引き上げられると見込んでいる。

  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、年内の利上げ見込みが4回になれば、それなりに米長期金利は上がるだろうが、最近は金利と為替の相関が強くないため、金利上昇がドル買いにつながるかは「かなり疑問」と話した。

FOMCに関するエコノミスト調査結果はこちらをご覧ください。

  市場では、アルゼンチン・ブエノスアイレスで19日(現地時間)開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議にも関心が集まっている。木原稔財務副大臣は、米国による鉄鋼・アルミニウム輸入関税の導入を背景に各国から保護主義を懸念する声が相次いだことを明らかにした上で、G20の共同声明に保護主義への懸念が明記されるとの見通しを示した。一方、財務省幹部はG20での発言内容を記者団に説明した際、最近の円高はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映していないと述べた。

  あおぞら銀の渡辺氏は、「米国の保護主義的な動向に不透明感が残る状況は変わらず、大きな意味での政治リスクで不透明感が残った状況は今回のG20で解消されるわけではない」と指摘。日本の森友文書問題も含めて、今後も「日米の政治リスク、ヘッドラインに左右される」展開が続くと予想した。

  ポンド・円相場は1ポンド=148円台半ばから149円台前半まで円売りが進行。前日には英国と欧州連合(EU)が英離脱後の移行期間中の条件について合意したことを好感し、約1カ月ぶりとなる149円台後半までポンド高・円安に振れていた。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=131円28銭と3営業日ぶりユーロ高・円安水準を付けた。来年半ばの利上げに違和感はないとの欧州中央銀行(ECB)関係者の発言報道を受けて、前日の海外市場でユーロが買われた流れが続いた。

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