帝人:中国で3工場増設へ、自動車用複合材で-最大3000億円投資も

  • 現地の製造拠点を現在の1カ所から4カ所程度に増強
  • 電気自動車向けバッテリーケースの製造に注力

帝人は自動車向け複合材料事業の需要増に対応するため、最大3000億円を投じて現地の製造拠点を5年以内に3カ所程度増やすことを計画している。自社での新設にこだわらず企業の買収・合併(M&A)も積極的に活用し、現在は1カ所しかない拠点の増強を急ぐ。

  帝人の複合成形材料事業本部の中石昭夫本部長は19日のインタビューで、「中国での自動車向け製造拠点が手薄。できれば明日にも欲しいぐらい」との考えを明らかにし、M&A対象となるような企業はすでに複数あると話した。同社は北米では10カ所を超える複合材料の製造拠点を保有しているが、中国では河北省唐山市の合弁工場のみ。

GM「ボルト」に使われている帝人のバッテリーケース

Source: Teijin Ltd.

  世界的な環境規制を背景に、自動車各社は電気自動車(EV)の開発に重点をシフトさせつつある。電動化に伴い重い鉄に代わる材料を活用した軽量化への取り組みが加速しており、一定の強度を保ちながら量産が可能なガラス繊維や炭素繊維といった複合材の需要が高まりつつある。

  同氏によると、中国では、既に納品量の過半を占めているガラス繊維複合材料製のEV向けバッテリーケースの製造に注力する方針。自動車メーカーと連携するためには各社の工場近くに製造拠点を持つ必要があるという。車両の外板部品などに使われるガラス繊維強化複合材料と構造材などに使われる比較的高価な炭素繊維強化複合材料など、さまざまな材料を提供できる同社の強みを生かし「用途や車種など広げる提案を積極的に行いたい」と話した。

2025年度には15億ドルに

  中石氏によると、自動車向け複合材料事業の売上高は2017年度に約8億ドル(約850億円)に達する見込みで、20年度に9億ドル、25年度に15億ドルを目指す。同氏は既に20年度の9億ドル達成の「めどは付いた」とし、25年度の目標達成には「さらなるM&Aによる売上高の上積みが必要で、地域的にも北米中心から、中国と欧州の売上高比率を徐々に高める」と述べた。将来的にはインドでの事業展開も視野に入れていることを明らかにした。

  帝人は17年1月に、北米最大の複合材成形メーカーのコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)を約870億円で買収。これにより、米ビッグスリーや欧州、日本の主要メーカーなどへの1次部品納入メーカーとしての立場を確保した。

  CSPは、米ゼネラル・モーターズがシボレーブランドで販売している「ボルトEV」などのバッテリーケースにガラス繊維複合材が採用されており、自動車向け複合材料のシェアでは北米トップ。河北省の製造拠点を運営する現地企業との合弁会社CSPヴィクトールは電子メールでの取材で、GMのほか、BMWや広州汽車、長城汽車、中国最大の電池メーカー寧徳時代新能源科技(CATL)などにEV用バッテリーケースを納品していることを明らかにした。

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