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就任後初のFOMCに臨むパウエル議長、難しいのは次の一手

  • 漸進的な利上げ戦略継続か、利上げペース加速示唆かの二者択一
  • 金融市場は20、21両日の会合での利上げ決定を100%織り込み済み
パウエル議長

パウエル議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
パウエル議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

20、21両日に就任後初めて米連邦公開市場委員会(FOMC)に臨むパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって、今回の会合での利上げはほぼ既定路線であり、判断は比較的容易だろう。

  一段と難しいのは次の一手だ。選択肢の一つはイエレン前議長の漸進的な利上げ戦略の継続を強調し、低インフレ下で労働市場のさらなる改善を目指すことで、もう一つは利上げペースの加速を示唆し、こうした戦略から転換することだろう。

  ベレンベルク・キャピタル・マーケッツの米国・アジア担当チーフエコノミスト、ミッキー・レビー氏は「経済の勢い加速は明白で、低過ぎる政策金利で不意を突かれるとの懸念が米金融当局にはある」と指摘。その上で、「インフレ率が2%に達するまで、パウエル氏はイエレン氏に非常に似たように映るだろう」と語った。

  経済見通しが明るくなりつつある現在のような転換点では、いかなる金融当局者にとっても正しい判断を下すのは困難となる。新任のFRB議長としてパウエル氏が同僚の当局者との間で信頼関係を築き、それを外部の投資家にも広げていかなければならないことも同氏の課題を複雑にしている。

  金融市場は今週のFOMCでの利上げを100%織り込んでいる。政策決定についての声明と最新の経済予測は21日午後2時(日本時間22日午前3時)に公表され、パウエル議長は2時半から記者会見する予定だ。

  昨年12月12、13両日の前回会合から状況は大きく変化した。

  まず、共和党主導の議会が可決した今後10年間で1兆5000億ドル(約159兆円)規模の減税が、トランプ大統領の署名で成立した。1月と2月には非農業部門雇用者数が計50万人余り増えた。さらに企業の景況感指数は上昇している。それでも、インフレ率は当局目標の2%を引き続き下回っている。一方で、金融情勢は緩和的なままだ。

Off the Couch

  当局者が昨年12月に示した前回の経済予測では、今年の利上げ回数見通しは中央値で3回とされていた。しかし、ゴールドマン・サックス・グループやUBSセキュリティーズなどのウォール街の金融機関は、同見通しの中央値が最新の予測で4回に引き上げられると見込む。

  UBSセキュリティーズのエグゼクティブディレクター、ロバート・マーティン氏は今週のFOMCについて、4回利上げの見通しに移行すれば最近のデータとの「一貫性を示す」ことになるため、パウエル議長にはしっかりした足場となるだろうとの見方を示した。

  他方で、手元の証拠と、基本的には当局者の間の予想・推測・不安の間には緊張が存在するのも事実だ。

No Bite

原題:Powell Jumps in Driver’s Seat as Fed Weighs Speed of Rate Hikes(抜粋)

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