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中国人民銀の新総裁に易副総裁を指名-WSJ

更新日時
  • 人民銀副総裁を10年以上務めてきた易綱氏-全人代で承認
  • 副首相に選ばれた劉鶴氏が政策決定で主導的役割担う可能性
易綱副総裁

易綱副総裁

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
易綱副総裁
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国は中国人民銀行(中央銀行)の新総裁に易綱氏を選出した。易氏は10年以上にわたって副総裁を務め、海外とのつながりも深い。今後は国内金融セクターの改善や金融政策の近代化への取り組みで陣頭に立つ。

Yi Gang

易綱氏

撮影:Qilai Shen / Bloomberg

  全国人民代表大会(全人代)は19日の投票で、易綱氏(60)の人民銀総裁就任の人事を承認した。習近平国家主席の経済ブレーンである劉鶴氏は副首相に選ばれ、劉氏が政策決定で主導的な役割を担い、易氏が支える側となることが示唆された。

  中国は長年ナンバー2として周小川総裁を支えてきた易副総裁を昇格させることで、人民銀の政策の継続性を図っているとのシグナルを送った形だ。これまで歴代最長の15年間にわたり総裁を務めてきた周小川氏(70)は引退する。周氏は世界的な金融危機を切り抜けてきたほか、金融政策手段を見直すとともに人民元が準備通貨に採用される過程で指揮を執ってきた。

  マルパス米財務次官(国際問題担当)は18日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで易氏について、「多くのスキルを備えた非常に力のある、技術的なリーダーだ」と評価した。

中国は中国人民銀行の新総裁に易綱氏を選出。ブルームバーグのTom Mackenzieがリポートする

(出所:Bloomberg)

  人民銀は周氏が総裁に就任した2002年当時より国内外での影響力を高めているとともに、当時と比べてずっと複雑な課題に直面している。易氏はこうした中でトップの座を引き継ぐ。最も差し迫った問題は、このままいけば債務の対国内総生産(GDP)比率が300%超に膨らむと予想される中国経済を破綻させることなく、習主席が主導する金融分野の改善を進めることだ。

  易氏は新総裁の承認を受けた後、人民大会堂で記者団に対し、「慎重な金融政策を遂行し、金融セクターの改革と開放を進め、金融セクター全体の安定を維持することが主要な任務だ」と述べた。

  新総裁は今年予想される物価上昇の加速を警戒し、不安定化を招く本土からの資本流出が再び増加するリスクに対処しなければならない。グローバルな投資家とのコミュニケーション改善も課題。米国の金融政策正常化に人民銀としてどのように対応するかも注目されている。

  中国国営メディアによると、このほか財政次官を務めた劉昆氏が肖捷氏に代わって財政相に就く。鐘山商務相は再選された。

  ブルームバーグのアジア担当チーフエコノミスト、トム・オーリック氏(北京在勤)はリポートで、易氏は党中央委員候補であり、金融政策を遂行する以上の影響力は限られる可能性を指摘した。

  易氏は1997年に人民銀入りし、さまざまな役職を歴任して副総裁と国家外為管理局(SAFE)局長に昇格した。同局長として世界最大である中国の外貨準備の拡大を指揮。外貨準備は2014年に4兆ドル(約420兆円)近くに膨らんだ。人民元の取引規制緩和や国際化にも取り組んできた。

  周氏と同様に英語を流ちょうに話し、世界の経済界指導者らと長年にわたって交流。人民銀の略歴欄によると、米イリノイ大学で経済学博士号を取得し、1986年からインディアナ大学で教鞭(きょうべん)を執った経験も持つ。

原題:China Names Yi Gang as First New PBOC Governor in 15 Years(抜粋)

(第5段落以降に詳細や経歴などを追加して更新します.)
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