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神戸鋼次期社長:先頭に立ち抜本改革進める、3本柱の事業戦略は継続

  • 現行の中計で掲げた成長投資の計画に変更はない
  • 再編や統合は考えにくい、事業ごとのアライアンスは排除しない

品質データ改ざん問題を起こした神戸製鋼所の次期社長に決まった山口貢副社長は16日午後、都内で記者会見し、「まずは安全性の検証に最優先で取り組む」と述べた。その上で「ガバナンスや企業風土の抜本的な改革を推し進めていくことが責務だ」との考えを示した。

  山口副社長は、鉄やアルミニムなどの素材系事業、機械事業、電力事業を成長の3本柱とするこれまでの事業戦略に変更はないとの認識を示した。現在の中期経営計画で掲げている戦略投資の見直しもしないという。ガバナンス体制強化の方針から、213社あるグループ会社を再編する考えも示した。

  また、「会社全体としての再編や統合は考えにくい」とした上で「それぞれの事業ごとのアライアンスやM&Aについては排除しない」とも述べた。

  昨年10月に発覚したアルミや銅など、一連の品質データ改ざん問題の責任を取って辞任する川崎博也会長兼社長の後を継ぐ。アルミ・銅事業部門でのデータ改善は遅くとも1970年代から始まっていたほか、不正行為は鉄鋼や機械事業部門に加え、複数のグループ会社でも長年にわたって行われていた。責任ある立場で不正を認識していたのは40人超に及ぶ。6日の会見で川崎社長は「根深い問題を抱えている」と語った。

  データ改ざん問題が発覚する前には1368円だった神戸鋼の株価は、一時805円まで売り込まれた。16日の終値は1048円で、問題発覚前と比べた株価下落率は23%。新日鉄住金の10%やJFEホールディングスの2.7%を上回る。今期(2018年3月期)業績への影響は100億円の経常減益要因にとどまるが、株式時価総額では1160億円超を失った。米司法省が進めている調査結果によっては今後、多額の罰金が課せられる可能性もある。

外部からは変化分かりにくい

  ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネジャーは、まずはデータ改ざん製品の納入先すべての企業において安全性の検証を終えることに注目していると指摘。一方、「企業体質の変化は外部からは分かりづらく、イメージ改善には時間がかかりそうだ」との見方を示した。また、品質管理を徹底するための設備投資額が増えることなどによる「成長戦略への影響も見極めたい」と述べた。

  「神戸鋼は過去にも繰り返しコンプライアンス違反の事案を繰り返してきた。今後は組織体制、企業風土の抜本的改革を進めて、顧客だけでなく社会全体の信頼回復に全力で取り組んでもらいたい」。世耕弘成経産相は9日の閣議後の会見でこう要請した。「社会的な責任をしっかりと果たせるガバナンスを構築しないと投資家からも見放される」とも語った。

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