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Photographer: Tomohiro Ohsumi

円がリスク回避で全面高、米大統領補佐官解任報道受け-ドル105円後半

更新日時
  • トランプ大統領はマクマスター氏を解任する方針とWポストが報じる
  • ドル・円は一時105円84銭まで下落、米保護貿易への懸念も重しに
A Japanese 100 yen coin and 10,000 yen banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Monday, June 20, 2016.
Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場では円が全面高。トランプ米大統領が国家安全保障担当のマクマスター大統領補佐官を解任する方針との米紙報道を受け、リスク回避の円買いが強まった。

  16日午後4時24分現在のドル・円相場は前日比0.4%安の1ドル=105円87銭。朝方は106円台前半で小動きに推移。午前10時頃に米ワシントン・ポストのマクマスター補佐官解任に関する報道が伝わると106円を割り込み、午後の取引終盤にかけて一時は105円84銭までドル安・円高が進行した。

米政治要因がドル・円を圧迫

  ナットウェストマーケッツのストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏(シンガポール在勤)は、マクマスター補佐官の解任は米政権の人事に対する市場の緊張感を高めるだけだろうと指摘。実際に解任すれば、「自由貿易支持派がトランプ政権を今や去りつつあることについて、投資家は一層懸念するだろう」と話した。

White House Press Secretary Sarah Huckabee Sanders Holds Press Briefing

H.R. McMaster

Photographer: Al Drago/Bloomberg

米ワシントン・ポストのマクマスター補佐官解任報道についてはこちらをクリックしてください

  ブルームバーグは、ワシントン・ポスト報道とは別に、ホワイトハウス当局者を引用して、トランプ大統領がマクマスター補佐官解任に関して最終的な決定を下していないと報じた。サンダース米大統領報道官は、トランプ大統領とマクマスター補佐官と今話したところだと述べた上で、「報道とは逆に、両氏の仕事面での関係は良好であり、国家安全保障会議での変更はない」とツイッターでコメントした。

  米株価指数先物はプラス圏で推移していたが、マイナスに転換。日経平均株価も続伸して始まった後に下落へ転じた。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「コーン(前国家経済会議委員長)、ティラーソン(前国務長官)、マクマスター氏と続き、トランプ政権の運営能力低下でドル・円は106円を割れた」と説明。「その後、CNNが北朝鮮の核施設で稼働の兆候と報じたことで円買い圧力が強まった。日経平均株価も下落しており、リスク回避の円買いになっている」と解説した。

  トランプ政権の保護主義的な通商政策に対する懸念も投資家心理の重しとなった。ナバロ国家通商会議(NTC)委員長は、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が通商法301条に基づく中国の知的財産慣行に対する調査に関し、「数週間以内に」トランプ大統領に提言する予定だとCNBCのインタビューで述べた。

  円は他の主要通貨に対しても上昇。ユーロ・円相場は5日以来の水準となる1ユーロ=130円29銭まで円高が進行。鉄鉱石価格の下落も重しとなり、豪ドル・円相場は一時1豪ドル=82円34銭と7日以来の豪ドル安・円高水準を付けた。

  上田ハーローの小野直人ストラテジストはリポートで、実需勢以外は期末・年度末で新たな取引を手掛けづらい中、週末や来週の重要イベントを控えこう着感が高まりやすいが、「米国の政治リスクや米中の貿易摩擦の激化などリスク要因は払しょくされておらず、投資家心理の改善が遅れているのも事実」と解説。「ドル・円は戻りを期待するよりは引き続き下方向への警戒が必要」と指摘した。

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