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【日本株週間展望】一進一退、景気と業績に不透明感-米金融政策注視

  • 為替市場では1ドル=106円を挟み再び円が高止まり
  • FOMCで利上げ実施へ、金利先行き予想めぐり様子見ムード

3月3週(19ー23日)の日本株相場は、景気・企業業績の不透明感から一進一退が見込まれる。米国の貿易政策などへの懸念が強まっていることや為替の円高傾向が重しとなる一方、大幅な調整を受けて株価の割高感はなく、下値を積極的に売ることもなさそうだ。

  為替市場では13日に1ドル=107円台だったドル・円相場が再び105円台に突入、為替動向が日本の企業業績に悪影響を与えかねない状況だ。米国家経済会議の次期委員長となるクドロー氏がより強硬な対中貿易政策を採用する可能性を示唆するなど、米通商政策の保護主義化や政権人事をめぐる混乱の長期化に加え、国内でも森友学園問題による安倍政権の求心力低下が懸念されている。3週は目立った米経済指標の発表がなく、政治問題になお焦点が当たりやすい。

Nomination Hearing Considering Jerome Powell To Be Federal Reserve Chairman

FRBのパウエル議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  そうした中、米連邦準備制度理事会(FRB)は20、21日にパウエル議長となって初の連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。金利先物市場に織り込まれた利上げ確率は100%とあって、市場の関心は昨年12月時点に3回だったFOMC参加者のことしの利上げ回数予測がどう変化するかに集まる。2月の小売売上高が予想外の前月比減少となるなど米経済指標に弱さがみられ、米金利も頭打ち傾向にあるだけに大きな変化はないとの見方が優勢ではあるが、週前半は買い手控えムードにつながりそう。

  19、20日にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、多国間貿易が協議される見込み。多国間で何らかの政策協調が確認されれば、保護主義に対する過度な警戒感が一時的に和らぐ可能性がある。国内では20日に2月の訪日外国人客数が発表される。第2週の日経平均株価は週間で1%高の2万1676円51銭と続伸。

日経平均の推移

≪市場関係者の見方≫
大和住銀投信投資顧問株式運用第一部バリューグループの岩間星二シニア・ファンドマネジャー
  「もみ合いだろう。米国のマクロ統計などでグローバルの景気回復一巡感が警戒される中で、国内では政治が混乱しており上値を買い進みにくい。為替の円高や貿易問題から市場センチメントも良くない。半導体は業績モメンタムがまだ残りそうだが、機械やFA関連などかなり過去の業績の伸びが大きかった銘柄など全般的にはそろそろ対前年比で伸び率低下や減速が意識されやすい局面。まずは第4四半期実績や来期ガイダンスを確認したい。半面、景気後退まで想定していない中では、割高感のない日本株を売り込む動きも想定しづらい」

岡三アセットマネジメントの大原透専務
  「もみ合いを予想している。米金利上昇をきっかけにした株価調整はやや一段落し、マーケットは『金利の季節』から『政治の季節』に変化している。米政権では辞任が相次ぎ、やや強硬派が増えている。従来は政治と経済は別だと受け止められていたが、今後は貿易を通して経済に波及してくる可能性があり気がかりだ。交易戦争と円高の要素を持つこうした政治状況がどう落ち着くのか不透明。円高によって来期業績の期初計画は慎重と思われ、買い進みにくい。金利上昇で適温相場は終わったが、上昇相場をけん引してきたもう一つの要因である技術革新は崩れておらず、株高の基調は変わっていない」

大和総研経済調査部の小林俊介エコノミスト
  「小安い展開になりそう。米国のインフレ期待後退で長期金利は低下傾向、これを受けた為替市場のドル安・円高も続く。週前半はFOMC前のブラックアウト期間でボードメンバーからの発言が何もなく、株式市場は引き続き低体温状況。21日発表の米中古住宅販売件数は予想外に悪い数値が出る可能性あり注意が必要。国内では森友問題で安倍政権の支持率低下が進むと、アベノミクス相場を選好する外国人投資家の期待が剥げ落ちネガティブ」

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