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しぼむ海外勢の日銀テーパリング観測、円債売り収束で低金利継続か

  • 英LCHの円スワップ金利は1月の年初来高水準から低下基調
  • 今後は為替動向次第で緩和強化の可能性も-SBI証券

外国人投資家の間で一気に強まっていた日本銀行による金融緩和策の縮小(テーパリング)観測が大幅に後退している。黒田東彦総裁が現行の政策運営を継続する姿勢を繰り返し示す中、円債売りを主導していた海外勢が買い戻す動きを続けており、国内金利の上昇を抑制する要因になる可能性がある。

  日銀が操作対象としている10年金利を超える超長期物では、20年物の円スワップ金利などに市場の金利見通しが反映されやすくなっている。海外勢が取引決済に利用する英清算機関LCHクリアネットの20年物円スワップ金利は足元で0.7%台に低下。残存期間10年超の国債買い入れオペが減額され、海外勢のテーパリング観測が取りざたされた1月には0.86%近くに達していた。

海外勢の円スワップ金利は低下基調

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「黒田総裁に明確に否定されて、海外勢が日銀政策の正常化トレードを再び盛り上げていく方向にはなかなかなりづらい」と指摘。「しばらくはショートカバーが入りやすく、金利上昇圧力は限定される」と話す。

  LCHクリアネットと国内勢が利用する日本証券クリアリング機構(JSCC)との20年物円スワップ金利の格差も1月に約16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と過去最大を記録したものの、足元は7bp程度に半減しており、海外勢のテーパリング熱が鎮静化していることが伺える。

日銀テーパリング観測めぐる内外格差は縮小

  財務省の対外・対内証券投資データによると、海外勢は3月3日までの週に中長期の円債を1兆2648億円買い越し、昨年9月以来の高水準を記録。翌週も買い越している。JSCC-LCHの円スワップ金利の格差が示唆するように、海外勢の日銀テーパリング観測の後退が一段と進めば、国内金利にとっては低下圧力になる可能性がある。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「1月には日銀の出口論が強まっていたが、その後は黒田総裁の火消しが効いている。日銀サイドからすぐに出口論が出てくるとは考え難く、外国人投資家のポジションはいったんニュートラルに戻りつつある」と指摘。「今後は為替動向次第で緩和強化の可能性もあり、出口と両にらみになってくる」とみている。

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