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【FRBウオッチ】「根拠なき熱狂」いよいよ最終幕へ-踊り続ける市場

  • 「金融政策の意図せざる結果を心配すべし」-市場ストラテジスト
  • 利上げでバブルをつぶし景気後退を呼び込んできた米金融当局
Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg
Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.
Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg

米金融政策当局者が奏でる明るい景気見通しに乗って、多くの投資家はなお踊り続けているが、そろそろ危険な領域に入ってきたようだ。このまま踊り続けると、政策当局者と共に景気の谷へ真っ逆さまということになりかねない。

  先のバブル崩壊の記憶がまだ生々しく残っていた2010年。ノムラ・インターナショナル(ロンドン)のストラテジスト、フレッド・グッドウィン氏(肩書は当時)は「中央銀行が何を考えているのか気にするより、金融政策の意図せざる結果を心配した方がいい」と話していた。

  グッドウィン氏の警句はそれから8年経過して、ますます重くなった。金融政策の「意図せざる結果」である金融バブルが、異例な金融政策を中核にして異次元まで膨らんできたからだ。

  ここで、まず1990年代から2000年にかけて膨らんだIT株式バブルまでさかのぼると、われわれが現在置かれている状況がはっきりする。IT株式バブルは連邦公開市場委員会(FOMC)が2000年5月に政策金利を6.5%まで引き上げたところで、崩壊が始まった。

利上げと共に崩壊してきた株式バブル

  住宅金融バブルの時は、2006年6月に政策金利が5.25%まで引き上げられた後、崩壊過程に入った。いずれのケースでも経済は、バブル崩壊とともに景気後退期に突入した。このように金融政策は大失敗を繰り返してきたわけだ。

  金融政策を決定するFOMCは、グッドウィン氏が警告を発した2010年の秋に量的緩和(QE)の第2弾を導入、その2年後にQE3を追加した。一方、政策金利は15年12月までゼロ%を続け、15年末になってようやく上昇に転換したものの、その後の利上げペースが極めてのろいため、金融バブルは最大限に膨らんでいる。

政策金利抑制で株式バブル全開

  この間の事情は、政策金利とニューヨーク株式市場のS&P500種株価指数を比べてみると一目瞭然だ。こうして投資家の間では、連邦準備制度について行きさえすれば間違いはないといった、「根拠なき熱狂」が広がってきた。

   FOMC当局者は今年、来週の会合を含めてあと3回引き上げて2.25%にすることを想定してるようだ。それでも政策金利が過去の水準と比べて非常に低くなっているため、過去の大幅利上げでバブルが崩壊した時とは「今度こそ違う」と、金融政策当局者は先行きを楽観している。

  しかし「今度こそ違う」という楽観こそ、危機が近づいてきた前兆なのだ。

(【米FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です) 

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