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日銀正副総裁を国会が承認、森友問題が金融政策運営に影響も

更新日時
  • 財務相辞任なら自民総裁選が不透明になる可能性-みずほ証券上野氏
  • 安倍首相の3選崩れれば長期金利引き上げやすくなる-パリバ河野氏
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan.

The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan.

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の正副総裁人事が16日、国会で承認された。学校法人「森友学園」を巡る文書改ざん問題で政治が混乱する中、日銀の体制移行は滞りなく進むことになる。一方で、同問題の進展次第では安倍晋三政権の求心力が低下し、金融政策運営に影響が及ぶ可能性もある。

  衆参両院が本会議を開き、日本銀行の黒田東彦総裁の続投と、若田部昌澄早稲田大学教授と雨宮正佳日銀理事を副総裁に充てる人事を賛成多数で同意した。任期は副総裁が20日、黒田総裁は4月9日からで、いずれも任期は5年。次回4月26、27両日の金融政策決定会合は新しい布陣で臨む。

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストはブルームバーグの電話取材に対し、新執行部の承認は「数少ない日本の安心材料だ」と指摘。正副総裁が空席になると「印象が非常に悪い。安倍政権としては、政治の混乱が意識され、経済政策の推進力に懸念が深まることは避けたいところだろう」と述べた。

  与野党は19日に参院予算委員会で森友問題について集中審議を行うことで合意した。審議には安倍首相や麻生太郎財務相が出席する予定で、麻生氏は19日からアルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を欠席する。野党は麻生氏の責任を追及する構えで、与党内からも政治責任論が出ている。

  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは14日付のリポートで、公文書の書き換えは「刑法に抵触し得る重大な事態であり、今後の政局、ひいては今後の経済政策の行方にも大きな影響を及ぼし得る」と指摘。当面の焦点は「麻生財務相の進退」とみる。

  首相経験者の麻生氏は菅義偉官房長官とともに安倍政権の屋台骨で、アベノミクスの推進に大きな影響力を有してきた。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは13日付のリポートで、仮に麻生財務相が辞任に追い込まれる場合、安倍内閣の支持基盤が不安定化し、9月の自民党総裁選の行方が不透明になる可能性があるとの見方を示した。

  首相候補として名前が挙がっているのは、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎外務相、野田聖子総務相ら。BNPパリバ証券の河野氏は「いずれも安倍首相に比べると財政、金融政策ともに保守的な見解の持ち主だ」と指摘する。

  河野氏はその上で、海外経済の堅調が続くという前提の下、仮に安倍首相の3選のシナリオが崩れて首相が交代すれば、政策の主眼は「景気浮揚・デフレ脱却」から「社会保障制度の持続可能性」といった方向に徐々に変わる可能性があり、日銀も「指数連動型上場投資信託(ETF)の減額や、10年金利目標引き上げなどに踏み切りやすくなるだろう」としている。

(衆院本会議での採決結果を加えて第1、2段落を差し替えます.)
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